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ハリル監督 決戦ムード“演出”敵味方関係なく言いたい放題

[ 2016年3月29日 05:30 ]

錦織の名前をあげてテニスの真似をするハリルホジッチ監督

 W杯アジア最終予選進出を決めている日本代表は29日、埼玉スタジアムでシリアと対戦する。2次予選1位突破を懸けた一戦に向け、バヒド・ハリルホジッチ監督(63)は相手の時間稼ぎなどにくぎを刺す“先制口撃”。自己主張の少ない日本人のメンタルに駄目出しするなど敵味方関係なく言いたい放題だった。既に最終予選の組み合わせは第2ポット以下が確定。“消化試合”の雰囲気を消そうと、決戦ムードを高めた。

 2次予選最大のライバルとの一戦を前に、ハリルホジッチ監督はしゃべり続けた。シリア戦に向けた公式会見。「決勝戦のつもりで戦う。得点力の高い相手。GKは必ず(ケガの)演技をしてリズムを壊してくるので、わなにかからないようにしないといけない。(PK狙いの)シミュレーションもしてくる。レフェリーも理解してくれることを望んでいる」と興奮気味にまくし立てた。

 ハリル節は止まらない。自己主張の少ない日本人のメンタルに「リスペクトはOK。でも、相手が叩いてきたら謝る必要はない。次は俺も殴る可能性があるという勇気を見せる必要がある。いつも受けるのでは駄目」とダメ出し。この日のミーティングでも「日本には性格の良い選手が多いが、ピッチでは人が変わらないといけない」と要求した。デュエル(球際の戦い)の重要性もあらためて強調。世界舞台で結果を出すテニスの錦織圭の名前を挙げ「錦織が1人でやれるスポーツではない。コンタクトがあるのが現代フットボール。戦う人間にならないといけない」と力説した。

 さらに話は昨秋のW杯で強豪の南アフリカを倒すなどサプライズを起こしたラグビー日本代表にまで飛躍した。「5、6カ月の合宿をする時間があれば、私も同じ結果が出せる」と豪語。最後は「私はやるべきことを全て把握している。何時間でもしゃべり続けることができる。でも歌手ではないのでそろそろ声がヤバいですね」と笑った。

 既に2次予選を突破しているが、4月7日発表のFIFAランクで韓国を下回ることが決まり、シリア戦の結果にかかわらず、同12日の最終予選抽選会では上位2チームが入る第1ポットから漏れることになった。それでも指揮官の独演会には最終戦を“消化試合”にするつもりはないという迫力があった。

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