×

U23 メキシコに2―1撃破!“王者”慌てさせた南野弾

[ 2016年3月27日 05:30 ]

メキシコ戦の前半、2点目のゴールを決める南野(左)

 ポルトガル遠征中のU―23日本代表は25日、U―23メキシコ代表と親善試合を行い、2―1で勝った。1―0の前半33分にMF南野拓実(21)が勝負を決する得点を決め、12年ロンドン五輪王者を撃破した。メキシコは主力数人を欠いて調整の色が濃かったとはいえ、1月のリオデジャネイロ五輪アジア最終予選後、初の対外試合で本大会出場国を倒し、今後に向けて弾みをつけた。

【試合結果 U―23日本代表メンバー】

 流れるような連係だった。1―0の前半33分、中盤でMF遠藤主将が相手のボールを奪取。すぐさまMF中島が受けて前線へはたく。そのボールをFW久保がヒールでコースを変えると、左から走り込んだ南野が抜けだし、最後はGKの位置を見極めて右足でゴール右に流し込んだ。「(中島)翔哉から直接もらおうと思ったけど、久保くんが触ってくれて良い形になりました。きれいな形で点を取れたし良かった」と南野。開始2分にも果敢なボール奪取から先制点をアシストし「前半のサッカーを続ければ、メダルへの手応えを感じる」とまで言い切った。

 ロングボールを多用した対アジアの戦法から、対世界へ。パスワークを多用する地上戦へと転換した。先発の布陣も4―4―2からトップ下を配した4―2―3―1に変え、早速結果を出した。手倉森監督は「(リオ五輪)最終予選に出たメンバーは自信をつけたのを感じる。世界へ行く覚悟を惜しみなく出してくれた。物凄く満足しています」と評価した。

 だからといって浮かれてはいない。チーム関係者によれば、メキシコは主力4人を欠いていたという。後半、圧倒的なテクニックで日本を翻弄(ほんろう)したMFアルバレスや技ありボレーで得点したFWブエノも前半は温存された。手倉森監督は「日本をなめていたなと思う。(29日の)ポルトガル戦で万全になるために60%くらいのコンディションで来た」と、渋い表情を浮かべた。

 ただ、これで世界のトップクラスと真剣勝負を行う土壌は整った。指揮官は「(5月下旬の)トゥーロン(国際大会)では対戦国が本気になってくれる。より厳しくマークしてくると思う」と話した。本大会で結果を出すためにもトゥーロンで厳しい戦いを経験することは不可欠。手を緩めてきたメキシコを後半は本気にさせ、その上で破った。日本の評価を高める貴重な1勝となった。

続きを表示

2016年3月27日のニュース