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マラドーナ後継者指名イグアイン体重減でゴール増セリエA新記録へ

[ 2016年3月22日 17:48 ]

<ナポリ・ジェノア>後半36分、イグアイン(右)がこの試合2点目を決め、勝利に貢献した(AP)

セリエA第30節 ナポリ3―1ジェノア

(3月20日)
 ナポリのアルゼンチン代表FWゴンサロ・イグアイン(28)が絶好調だ。20日にホームのジェノア戦でリーグ4試合連続得点となる2ゴールを挙げて、3―1の逆転勝利と3連勝に貢献。5連覇を狙うユベントスを勝ち点3差で追うチームをけん引している。今季リーグ得点を29に伸ばし、1928~29年にトリノのロセッティがマークしたセリエAのシーズン最多記録(36)を上回るペース(36.7点)でゴールを量産する理由とは。

 ナポリの英雄マラドーナが在籍した90年以来となるセリエA制覇へ、望みをつなぐ逆転劇だった。地元ファンが総立ちで熱狂したのはマラドーナが「私の後継者」と認めるイグアイン。後半6分、相手DF裏を突いて同点弾を決めると、同36分に相手DF3人のマークを受けながら右足で右隅に決勝点を突き刺した。

 「逆転は全員が懸命に戦った結果だ」。イグアインはチーム力を強調したが、優勝争いの原動力はエースの決定力だ。今季8度目の複数得点で29ゴール。チーム総得点62の約半分を1人で稼ぎ、Rマドリード時代の09~10年にマークした自己記録の27を更新した。リーグ得点ランク独走で、欧州主要リーグで目下得点王。ナポリで過去2季は17、18得点だった男が“確変”した背景には心身の充実があった。

 好調の理由について「体重を4キロも落としたからさ」と以前、アルゼンチン紙オレに明かしたことがある。昨夏からメッシ(バルセロナ)の体調管理を行ったスポーツ栄養学の権威、ポゼール医師に師事して食生活を改善。赤身の肉やパスタ、ピザなど炭水化物を減らし、魚介類や野菜を増やすヘルシーな料理を専属料理人に作ってもらい、体脂肪率を8~9%に抑えている。

 「心の平穏はサッリ監督のおかげ」と感謝する。今季就任した元銀行員の指揮官は、やや気性の荒い点取り屋の性格を「ああ見えて感受性豊か」と把握。対話を増やして「君は世界一のFWだ」とプライドをくすぐる一方、まずいプレーは顔を見ながら率直に指摘した。アメとムチの心理マネジメントで試合中に激高する場面は減った。

 評価は急上昇。9500万ユーロ(約120億円)の移籍金でマンチェスターUなどが獲得を狙うと報じられている。アルゼンチン代表としてW杯南米予選で24日にチリ、29日にボリビアと対戦。その後、佳境を迎える優勝争いに向け「残り8試合。ファンの夢をかなえるために戦う」。“置き土産”となるかもしれない逆転Vを目指す。

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2016年3月22日のニュース