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ベンゲル政権20季目でついに終焉?3季ぶり無冠危機で高まる解任の声

[ 2016年3月15日 08:38 ]

ワトフォードに敗れ悔しい表情を見せるアーセナルのベンゲル監督(AP)

 長期政権がついに終焉(しゅうえん)を迎えるのか。FA杯の準々決勝2試合が13日に行われ、3連覇を狙ったアーセナルはホームでワトフォードに1―2と敗れて姿を消した。3季ぶりに無冠となる可能性が高まったことで、就任20季目のアーセン・ベンゲル監督(66)に対する一部サポーターの解任要求が強まっており、地元メディアでは今季限りでの退任の可能性、後任候補を伝える報道が出始めた。また、マンチェスターUはウェストハムと1―1で引き分けた。

【プレミアリーグ順位表】

 FA杯で130年ぶりの3連覇を狙ったアーセナルの夢はベスト8で散った。リーグ14位の格下ワトフォードにホームで敗戦。後半5分に相手ロングスローから簡単に先制されると、同18分にはミドルシュートで失点した。ボール保持率71%、シュート数20対7と圧倒しながら、反撃は終了間際の1点のみ。絶対的エースが不在で決定力不足という弱点を露呈した。

 この1敗が、就任20季目を迎えたベンゲル監督の退任につながるかもしれない。02年以来の公式戦ホーム3連敗を喫し、地元ファンのブーイングを浴びながら退場した指揮官は、メディア、ファンから高まってきた解任論について「茶番劇だ。苦しい状況だが、シーズン終了後に判断してほしい」と反論した。敗戦直後に英BBC(電子版)は「アーセナルでの終わりが近づいている?」との見出しで「66歳の指揮官は歴史を築いたが、今季無冠に終われば退任を考える時だ」と報道。英紙デーリー・ミラーは後任候補にAマドリードのシメオネ監督、マンチェスターCのペジェグリーニ監督ら5人を挙げた。

 3季ぶりの無冠が現実味を帯びてきた。プレミアリーグは昨季王者チェルシーをはじめマンチェスターC、マンチェスターUなど強豪が低迷。12季ぶりの優勝へ千載一遇の好機だったが、年明けから10戦で3勝4分け3敗と失速して首位から3位へ転落した。FW岡崎が所属して奇跡的な快進撃をみせる首位レスターと13日時点で勝ち点8差。地元・北ロンドンの宿敵で2位のトットナムにも暫定6差をつけられ、残り9試合での逆転は厳しい。リーグ杯は既に敗退し、欧州CLは6季連続で決勝トーナメント1回戦敗退が濃厚。ホームの第1戦で王者バルセロナに0―2で敗れ、16日の第2戦へ「不可能を可能にしたい」という指揮官の声はむなしく響く。

 一部サポーターは8日のFA杯5回戦ハル戦で「思い出をありがとう。しかし、サヨナラと言う時だ」と監督交代を要求する横断幕を掲出。英紙デーリー・ミラー(電子版)の「今季で退任すべきか」とのアンケートでは82%がイエスと答えるなど“世論”も敵だ。四面楚歌(そか)の苦境で、最近の公式戦7戦でわずか1勝のチームを立て直す秘策はあるのか。見納めになるかもしれない、名将の手腕に注目だ。

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