仙台 金久保弾守り抜く 5年前消滅した3・12ホーム試合で勝利

[ 2016年3月13日 05:30 ]

<仙台・鹿島>鹿島に勝利し横断幕の前でサポーターと喜ぶ仙台イレブン

明治安田生命J1第1S第3節 仙台1―0鹿島

(3月12日 ユアスタ)
 仙台と鹿島の東日本大震災で被災したクラブ同士の一戦は仙台が1―0で勝った。前半8分にMF金久保順(28)が得点を決めると、堅固な守備で守りきった。ホームでは昨年8月12日の松本戦以来、6試合ぶりの勝利。川崎FのFW大久保嘉人(33)はホームでの名古屋戦で今季2点目を決めて歴代最多に並ぶJ1通算得点を158とした。チームも3―2で勝ち、川崎Fは勝ち点7で首位に立った。

 仙台の、東北の、被災した全ての人々が見ている。本拠地ユアスタで勝負を諦めることは絶対できなかった。前半8分に金久保のボレーで先制。しかし、その後は前節首位・鹿島の猛攻を受けた。それでもGK関が後半9分、相手DF西の技ありシュートをはじき出すと、同27分にもMFカイオの決定的シュートを防いだ。球際ではファウルもいとわない激しい守備を貫き、逃げ切った。試合終了の笛を聞くとスタジアムに大歓声が湧き上がる。魂のぶつかりあった戦いを見て、涙を拭うサポーターの姿もあった。

 渡辺監督は「5年前のきょう(12日)ユアスタで行われるべき試合(名古屋戦)はできなかった。その試合に足を運べなかった人たちの分までやらなければと。当たり前のことを当たり前にできる幸せを感じながら、ピッチにぶつけないといけない。選手はプレーで表現してくれた」と称えた。

 今季の始動日となった1月20日。チーム全員で5年前の震災で児童ら84人が犠牲となった石巻市の大川小跡を訪問した。校舎の残骸に残る、津波の爪痕に、一様に言葉を失った。この日、決勝弾を決めた金久保は震災当時は大宮に在籍したが、「胸が痛くなりました。僕も子供がいるので」と語った。試合前日の3月11日にはチームで黙とう。試合直前にもスタジアムで目を閉じた。チーム全員がこの試合の意味をかみしめていた。

 昨年8月以来となるホームでの勝利。MF富田主将は「ホッとしている。1―0。仙台らしい結果が出せた。でもこれを続けていかなければ意味がない」。前節のFC東京戦は先制しながらも逆転負けを喫したが、わずか1週間で成長した姿を見せた。「きょうは特別な日。サポーターと喜び合えたのはうれしい」と笑顔を見せた指揮官。粘り強さで強豪・鹿島を討った仙台。絶対に諦めないという気持ちは被災地にも確かに伝わった。

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