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G大阪 今野で新本拠1勝!仙台出身これぞ「東北魂」先制ヘッド

[ 2016年3月12日 05:30 ]

<G大阪・大宮>後半、先制ゴールを決め宇佐美(右)らイレブンノ祝福を受ける今野(左から3人目)

明治安田生命J1第1S第3節 G大阪2―1大宮

(3月11日 吹田S)
 東北人魂がメモリアル勝利を呼び込んだ。G大阪がホームで大宮を2―1で下し、市立吹田サッカースタジアムでの公式戦初白星を挙げた。後半4分に仙台市出身のDF今野泰幸(33)が先制ゴール。忘れられない「3・11」に、意地と鎮魂の一撃を決めた。FC東京はホームで神戸と対戦し、1―0で勝利を収めた。

 ガムシャラに飛び込んだ。0―0の後半4分、宇佐美の蹴った左CKに合わせたのが今野だった。頭で叩きつけた一撃が勢いよくゴール左に突き刺さる。「ボールが良かったんで。ゴールに向かって無心で打った」。大宮の堅いブロックに苦しめられていた中で、セットプレーから奪った守備職人の先制弾。新スタジアムでの記念すべき公式戦初勝利を呼び込んだ。

 東日本大震災から、この日でちょうど5年。キックオフ前には黙とうがささげられた。仙台出身の今野は「自分は東北出身だし思うことはたくさんある」と語る。FC東京に在籍していた当時、遠征に向かう際の羽田空港で激しい揺れを感じた。故郷を襲った大災害。その後は「東北人魂を持つJ選手の会」を鹿島の元日本代表MF小笠原らと立ち上げ、復興に向けたチャリティー活動などを率先して行ってきた。

 ただ、ピッチで魅せることこそがサッカー選手として最も大事な使命だということは忘れない。「自分は地味な選手だけど、一生懸命や泥くささ、そういうところを見せて勇気を与えられたら」。本職ではセンターバックとして体を張った守備を披露。キープレーヤーに挙げていたFWムルジャを封じ込めた。

 後半16分には阿部のゴールも生まれ、2―1で逃げ切り2連勝。市立吹田サッカースタジアムは平日にもかかわらず2万535人の観衆が駆けつけ、選手は熱いサポートを受けた。「(勝って)ホッとしている。本当にいい雰囲気だし、いいサッカーをして勝利を見せていきたい」と今野。リーグとACLで頂点を目指す今季。G大阪の主力として、そして東北人として――。頂点を目指し、全力で戦い続ける。

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