×

ハリル監督“妄想指令”J戦士よ「相手をバイエルンだと思って戦え」

[ 2016年3月10日 06:30 ]

練習中に指示を出すハリルホジッチ監督(右から2人目)

 国内組による日本代表候補合宿は9日、千葉県内で練習を行い、3日間の日程を終えた。バヒド・ハリルホジッチ監督(63)は選手たちに所属クラブに戻っても常に世界を意識してプレーすることを要求。欧州CLなどの映像を見せて、自分のチームをバルセロナ、対戦相手をバイエルン・ミュンヘンに見立てる“妄想指令”を出した。

 3日間の合宿中にハリルホジッチ監督は、練習の前後やホテルでの空き時間を利用して全選手と対話を図った。各選手に個別の課題や助言を与え「A代表に入りたければ要求をクリアしないといけない」と強調。その上で「海外組は日常でバイエルンと対戦している。国内組も意識のレベルを上げることが必要。常に対戦相手をバイエルンMとイメージしてJリーグを戦ってほしい」と共通の指示も出した。

 Jリーグと欧州主要リーグの最大の差はスピード。パス、判断、プレスなど全ての速さが違う。Jリーグではミスにならないタイミングのプレーでも世界では通用しないこともある。そこで指揮官は、所属クラブの試合で世界屈指の組織的守備を誇るバイエルンMと対峙(たいじ)するイメージをしながらピッチに立つことを要求。8日のミーティングでは、バルセロナのネイマールが長い距離をフリーランニングする映像などが手本として示され、バイエルンM攻略のヒントとして攻撃ではバルセロナをイメージさせた。

 霜田技術委員長は「世界は1ランクも2ランクも上で、そこで点を取るために何が必要か。技術、判断、ボールをもらう前の準備、全てのレベルを上げないといけない」と指摘した。3日間の合宿の締めくくりに行われたこの日の紅白戦(10分、8分の2本)では、2タッチ以内などボールタッチ制限を設定。リズムの良いパスワークからの崩しが何度も見られ、ハリルホジッチ監督は「Jリーグでは見られないスピードのゲームだった」と満足げだった。国内組のプレー感覚を世界基準に引き上げるための意識改革。Jリーグのスピードに劇的な変化は表れるのか、選手の“妄想力”が試される。

続きを表示

2016年3月10日のニュース