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なでしことは対照的…米国、世代交代&1位突破 東京でも大きな壁に

[ 2016年3月9日 08:52 ]

引退のあいさつをする女子米国代表FWワンバックさん(AP)

 リオデジャネイロ五輪の女子サッカーアジア最終予選で敗退したなでしこジャパンとは対照的に、昨年の女子W杯決勝で日本を破った米国代表は2月の同北中米カリブ海予選を危なげなく1位で突破した。なでしこジャパンの澤さんが現役引退したのと同時期に、澤さんの親友であり米国代表歴代最多の通算184得点を挙げたワンバックさんも引退。ともに長年にわたってチームをけん引してきた大黒柱が抜ける状況となったが、米国は予選を勝ち抜きながら世代交代も進めていた。

 なでしこジャパンは今五輪予選でメンバー20人のうち昨年のW杯出場者は16人を占めたが、米国は20人中13人。チーム最年長の34歳GKホープ・ソロ、昨年のW杯で得点王に輝いた主将の33歳MFカーリー・ロイド、美人選手として知られる26歳FWアレックス・モーガンらベテランに加えて、14年から指揮を執るエリス監督は「非常に挑戦的なメンバー」と若手を思いきって抜てきした。新たに加わった7人のうち5人が23歳以下で、最年少は高校生の17歳FWマロリー・プーだった。指揮官は「1月の(選考)合宿で選手はすごく競い合ってくれたので、メンバー選びは本当に難しかった」と説明。新メンバーの1人、23歳のFWクリスタル・ダンは6ゴールを挙げて大会得点王に輝いた。

 11年W杯、12年ロンドン五輪、15年W杯と3大会連続で決勝を戦った最大のライバル、なでしこジャパンが不在となったリオデジャネイロ五輪で、狙うは大会4連覇。エリス監督は昨年に契約を延長(期間は非公表。地元報道では19年まで)しており、19年W杯、20年東京五輪も見据える。指揮官の積極的な若手登用について、米スポーツ専門局ESPNのグラハム・ヘイズ記者は「エリス監督は目先の勝利を勝ち取りながら、将来の準備もできると信じている」と指摘。長期的な視野でチームを強化する女子サッカー大国が、予選敗退から立ち直り4年後には自国開催の五輪で金メダルを目指す日本にとって、大きな壁になることは間違いない。(大久保 尚文)

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2016年3月9日のニュース