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守護神ブッフォン 836分無失点!歴代最高記録まであと93分

[ 2016年3月8日 10:31 ]

ユベントスのGKブッフォン

セリエA第28節 ユベントス2―0アタランタ

(3月6日)
 衰え知らずのレジェンド守護神が、伝説にまた一歩近づいた。セリエA5連覇を目指す首位ユベントスのイタリア代表GKジャンルイジ・ブッフォン(38)が6日、敵地のアタランタ戦で完封をマークして2―0の勝利に貢献。リーグ9試合連続の無失点で、同連続無失点時間を836分に伸ばしてセリエA歴代3位に浮上した。プロ21シーズン目のベテランが、第一線で活躍し続けられる理由とは。

 愛称は「ジジ」だが、決してジジイではない。1月に38歳となったユベントスのGKブッフォンが自己記録を更新した。リーグ対戦で12連勝としたお得意さまのアタランタを危なげなく完封。1月10日に第19節サンプドリア戦で後半19分に元イタリア代表FWカッサーノに得点を許して以来、連続無失点を836分まで伸ばした。セリエA歴代記録で一気に3人を抜いて3位に浮上し、93~94年にACミランのロッシがマークした歴代最高記録(929分)まで、あと93分に迫った。

 試合後にブッフォンはコメントしなかったが、アッレグリ監督は「記録のことは考えていない。重要なのは他チームを勝ち点で上回ること」。2位ナポリと勝ち点3差で、5連覇を目指す優勝争いに集中する守護神の気持ちを代弁した。今季公式戦36試合中35試合にフル出場し、リーグ15連勝を含む最近の18戦無敗に大きく貢献。チーム最年長が王者のゴール前に君臨し続けられる理由は「経験」だという。

 「今の自分には15歳の頃よりも確実性があるし、知識もある。試合でさまざまな状況を経験してきているので、どう対応すればよいかはっきり分かる」と昨年4月にフランス紙レキップのインタビューで明かした。パルマで95年に17歳でデビューしてからプロ21シーズン目で、クラブで公式戦790試合、イタリア代表で154試合に出場。百戦錬磨の経験がプレーに表れたのは、この試合の前半40分だった。相手速攻でクロスから至近距離でボレーシュートを打たれたが正面でキャッチ。相手攻撃を読み切った的確なポジショニングで、決定機をピンチに見せない隠れたファインセーブだった。

 元ユベントスGKで連続無失点記録で歴代2位(903分)のゾフ氏は、2月にUEFA公式サイトで「ブッフォンは依然として世界のベストGKの一人。年齢に負けない素晴らしい体の状態を維持するだけでなく、選手として成長し続けようと努力している」と後輩を称えた。ブッフォンは今年1月に「18年W杯までは自分を追い込める。その後辞めようと思う」と40歳で迎える18年W杯ロシア大会までの現役続行を表明。12年に国際サッカー歴史統計連盟からスペイン代表カシージャス(ポルト)、チェコ代表ツェフ(チェルシー)らを抑えて「21世紀の最優秀GK」に選ばれたレジェンドが、引退まであと2年でさまざまな記録を打ち立てそうだ。

 ◆ジャンルイジ・ブッフォン 1978年1月28日、イタリア・カッラーラ生まれの38歳。95年にパルマのトップチームに昇格し、17歳でセリエAデビューを果たした。01年にGK史上最高の移籍金5200万ユーロ(当時約65億円)でユベントスへ移籍し、昨季までの4連覇を含む6度のリーグ制覇に貢献。03年にはGKとして初めて欧州CLでMVPに選ばれた。イタリア代表は97年に19歳で初招集され、出番がなかった98年大会を含めてW杯に5度出場。優勝した06年ドイツ大会では最優秀GKに輝いた。代表通算154試合。1メートル91、93キロ。

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2016年3月8日のニュース