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大久保 ゴン、寿人に並んだJ最多157発 驚速340試合目

[ 2016年3月6日 05:30 ]

<川崎F・湘南>前半、先制ゴールを決め通算157得点のJ1歴代最多に並んだ大久保(左)

明治安田生命J1第1S第2節 川崎F4―4湘南

(3月5日 等々力)
 大久保がゴンに寿人に並んだ。川崎FのFW大久保嘉人(33)はホーム、湘南戦の前半13分に今季初ゴールを決めて通算157得点とし、佐藤寿人(広島)、磐田などで活躍した中山雅史(現JFL沼津)が持つJ1最多得点記録に並んだ。

 パスを出した瞬間、ゴールへのイメージはできていた。前半13分、左サイドでボールを持った大久保は狩野へスルーパス。そのまま、ゴール前にスピードに乗って走り込んだ。スペースへ狩野からの折り返しが来る。右足でワントラップし、流れるような動きで右足一閃(いっせん)。インサイドにかけたシュートはゴール右上隅にきれいに決まった。340試合目でついに中山雅史、佐藤寿人が持つJ1通算最多得点の157点に並んだ。

 「もう1点という気持ちはあったが、157点といっても、正直あまりうれしくない。勝ちたかった」。試合後、大久保は記録よりも勝てなかったことを悔やんだ。チームを勝たせてこそストライカー。エースの誇りだった。

 川崎Fに移籍した13年からJリーグ史上初の3年連続得点王を獲得。今季は開幕前から4年連続得点王に加え、通算得点で中山らの記録をいつ抜くかが、注目されてきた。しかし、2月上旬に右膝を打撲し、沖縄合宿では2度も膝にたまった水を抜いた。左足の親指が腫れてスパイクが履けなくなり、1センチ大きいチームメートの橋本から左足だけ借りて練習したこともあった。それでも焦らず調整し、開幕に合わせるところが16年目のベテランだ。

 大久保を支えてきたのは国見高時代の恩師・小嶺監督の言葉だった。「いいところを伸ばせ」と教えられ、大久保は何よりシュート練習を重ねた。通算得点を争う佐藤とは02年、C大阪で1年間だけ一緒だった。「寿人さんはDFラインの裏への飛び出しが抜群にうまかった。参考にしようと思ったけど、僕はこれじゃないなと。寿人さんにしかないものもあるし、僕にしかないものもある。小嶺先生から言われたように、練習してずばぬけた存在になればいいと思った」。DFの一瞬の隙とスペースを突く嗅覚、さらに卓越したシュート力。時に強引な体勢でも押し込む気迫。居残りで一人黙々とシュートを打ち続けたことが実を結んだ。

 次戦は12日、ホームでの名古屋戦。「4点取ったが、4点取られたし、攻撃も怖さがない。もっとフロンターレらしいサッカーがしたい」と気持ちを切り替える。J1単独最多ゴールは勝ってこそ意味がある。

 ≪プロ経験を積むに従いゴール量産≫大久保(川崎F)が今季2試合目で初ゴール。J1通算157得点で、中山、佐藤が持つJ1リーグ最多得点記録に並んだ。J1通算340試合目は中山の355試合、佐藤の377試合(5日現在)を上回る得点ペース。大久保は今季プロ16シーズン目。過去15年間を5年ごとに区切ると(J2リーグ、海外リーグは除く)

プロ年数 試合数 得点
 1~5 66試合 33点
 6~10  119試合 43点
 10~15 153試合 80点

 最近5年間は1ゴールあたり約1・91試合と2試合を切る。プロ経験を積むにしたがい量産してきた大久保がJ1最多得点単独トップを視界に捉えた。

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