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なでしこ佐々木監督退任へ 中国に敗れリオ五輪出場絶望的に

[ 2016年3月5日 05:30 ]

中国に敗れ涙を流す大儀見(左)と宮間

リオ五輪アジア最終予選 日本1―2中国

(3月4日 金鳥ス)
 なでしこジャパンの4大会連続の五輪出場が絶望的となった。第3戦で中国と対戦し、1―2で敗れた。前半14分に最終ラインの連係ミスから先制を許すと、後半13分にはミドルシュートで失点。後半20分にFW横山久美(22=長野)のゴールで1点を返すのが精いっぱいだった。3試合を終えて1分け2敗の勝ち点1。数字上の可能性は残すが、五輪切符を得る2位以内は極めて厳しい状況となった。今予選限りでの佐々木則夫監督(57)の退任は確実。U―20日本代表の高倉麻子監督(47)が次期監督の有力候補となる。
【試合結果 メンバー リオ五輪最終予選】

 宮間が泣いた。近賀や横山も涙が止まらなくなった。当然と思われていた4大会連続の五輪出場が、絶望的な状況となった。ホーム開催の最終予選で2敗目。2位の中国とは残り2試合で勝ち点6差に開いた。事実上の終戦という現実に直面し、冷静さを取り戻した宮間は言葉を絞り出した。

 「長くこのチームでやってきて、結果が出ない。澤さんがいなくなった中で、(前から)いる選手が多いのに結果が出ない。プレーでかなわないと思う相手は、この3試合ではないけど…。サッカーは難しい」

 またしてもミスから失点した。0―0の前半14分、MF川村のバックパスが中途半端になり、GK福元とDF田中が譲り合ったところを相手MF張叡に奪われ先制点を許した。GK福元のファンブルから同点弾を決められた2日の韓国戦に続いての“自滅”。後半13分にはMF古雅沙にミドル弾を決められた。澤さん不在の新生なでしこジャパンが、再び勝負弱さを露呈した。

 得点力不足も浮き彫りとなった。3試合で奪った得点はわずか「3」。この一戦も、横山が相手のミスから1点を奪うのが精いっぱいだった。「複数の得点を挙げられない現状がある。深い課題になっているし、今後のなでしこを見たときに大きなポイントになる」と佐々木監督。07年の就任から10年目を迎え、進まない世代交代や戦術のマンネリ化はこれまでも問題視されていた。それでも11年W杯ドイツ大会で優勝した後はロンドン五輪で準優勝、昨年のカナダW杯で準優勝。結果の裏に隠れていた課題が一気に出た。

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