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崖っ縁なでしこに“澤さん魂”注入!温かい言葉に宮間が涙

[ 2016年3月4日 05:30 ]

なでしこジャパンを激励に訪れた澤穂希氏

 澤魂で奇跡を呼び起こせ――。4大会連続五輪出場へ崖っ縁のなでしこジャパンは4日、リオデジャネイロ五輪アジア最終予選第3戦で中国と対戦する。3日に大阪府堺市内で最終調整したイレブンを、昨季限りで現役を引退した澤穂希さん(37)が電撃訪問。引き分け以下なら五輪出場が絶望的となる大一番へ、レジェンドがパワーを注入した。

 居ても立ってもいられなかった。テレビ中継のゲストとして澤さんは会場には出向いても選手への気遣いから接触はしてこなかった。だが、チームが崖っ縁に立たされたことから急きょ「みんなの顔をちょっと見に」と練習場を訪問。室内から練習を視察した後、選手数人と話す場を持った。

 「次、勝たなかったら最悪なことも考えられる。私が選手だったらどうしようと思う。だから前向きな言葉を掛けて元気を与えられたらと思う」

 会話の中身は明かさなかったが、澤さんと会った直後に取材対応した宮間は涙を浮かべていた。「もう情けない試合は見せたくない。よくやったという試合をしたい」とうつむきながら言葉を絞り出した。新旧のリーダー役として強い信頼関係で結ばれてきた間柄。澤さんには「責任感が強いから一人で背負わないでほしい」と自身のことを気に掛けてもらっていただけに激励が胸に染みた。

 短期決戦で大幅な戦術変更、戦力アップが望めないことは澤さんも百も承知だ。ただ2試合を見て球際での激しさなどに表れる気迫のなさを痛感。かつて背番号10をつけてプレーしていた自身は「口で言っても駄目。とにかくプレーで見せるのが役割」と誰よりも激しく、強く、気持ちを前面に出してきたという自負がある。「この試合に勝つとか負けられないと思ってやっている選手が何人いるのかなと思う。どこか他人任せなところがあるのでは」と疑問を投げかけ「こういう時こそ見ている人の心に響くようなプレーをしてほしいと思います」と続けた。

 00年シドニー五輪出場を逃し、どん底を見た過去がある。「サッカーの歴史が途絶えることはしてほしくない。死に物狂いで全力で戦ってほしい。リオには絶対に行ってもらいたい」。レジェンドからもらった熱いメッセージ。今度はなでしこがピッチで恩返しする。

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