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マンU18歳新星ラシュフォード 10分間で12発の伝説

[ 2016年3月1日 11:05 ]

アーセナル戦でゴールを決め喜ぶマンチェスターUのFWラシュフォード(AP)

 マンチェスター・ユナイテッドに超新星が出現した。28日、ホームのアーセナル戦に1トップで先発し、プレミアリーグ初出場を果たしたFWマーカス・ラシュフォード(18)が2ゴール1アシストをマーク。全得点に絡む大活躍で3―2の勝利に貢献した。地元出身で下部組織育ちのルーキーは、プロ初戦となった25日の欧州リーグ・ミッティランド(デンマーク)戦でも2得点を挙げており、初陣から中2日で2試合4ゴールという衝撃のデビューとなった。

【プレミアリーグ順位表 得点ランク】

 夢の劇場と呼ばれるオールド・トラフォードが、生え抜きの新スター候補誕生を祝うスタンディングオベーションに包まれた。ベッカム、ギグスら下部組織出身の若手を育てた名伯楽、ファーガソン氏もスタンドで満面の笑み。その視線の先には、18歳の新人がいた。「僕にとってプレミアリーグ初戦だったから驚きだよね。2ゴールはボーナスみたいなものだよ」。あどけない笑顔で初々しくコメントする姿とは対照的に、プレーは堂々たるものだった。前半29分にこぼれ球に反応。右足の力強いシュートでGKツェフの左手をはじいて先制点をねじ込んだ。その3分後に追加点。相手センターバック2人の間に入る巧みな位置取りでマークを外し、右クロスを頭で押し込んだ。

 かつてリーグ得点王に輝いたクラブOBのA・コール氏はツイッターで「2点とも素晴らしい。落ち着いて余裕があった」と冷静沈着ぶりを絶賛した。その特長がアシストという形で表れたのは2―1で迎えた後半20分。右サイドでボールをキープして相手DFを引きつけ、中央に走り込んだMFエレーラにパスを送って追加点を演出した。

 生まれも育ちもマンチェスター。ラシュフォードの神童ぶりは有名だった。5歳で地元クラブ・フレッチャーモスでサッカーを始め、指導したゲイノード・コーチは「生まれながらに特別な才能を授かっていた。ミニサッカーのメッシだった」と表現。10分間で12得点を挙げた伝説があるという。9歳でマンチェスターU下部組織に加入する年には、宿敵マンチェスターCのほかリバプール、エバートンとも争奪戦となった。

 クラブにとってはケガの功名だ。エースのFWルーニーをはじめ10人以上が負傷離脱しており、ラシュフォードは“穴埋め要員”として25日の欧州リーグ・ミッティランド戦でベンチ入りしていた。試合前練習で負傷したFWマルシアルに代わって急きょ先発し、プロ初戦で2得点。逆転勝利の立役者となった。

 ファンハール監督は「アンビリーバブル。より難しくなる2戦目でも結果を残せたのは、才能があるから」と称賛。突如出現したシンデレラボーイが、負傷者が続出し欧州CL出場権(4位以上)を逃す危機にある名門の救世主になるかもしれない。

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2016年3月1日のニュース