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5代目ミスターレッズ武藤弾!浦和 史上初開幕戦敵地4連勝

[ 2016年2月28日 05:30 ]

<柏・浦和>後半、浦和・武藤はゴールを決め雄叫びを上げる。(左から)李、武藤、森脇

明治安田生命J1第1S第1節 浦和2―1柏

(2月27日 柏)
 5代目ミスター・レッズが開幕の号砲を鳴らした。明治安田生命Jリーグが開幕しアウェーで柏と対戦した浦和は2―1で勝利を収めリーグ戦4年連続の白星発進。今季から背番号9を受け継いだFW武藤雄樹(27)が後半7分に先制点を決めるなど1得点1アシストの活躍。新エースにふさわしい活躍を見せたストライカーが10年ぶりのリーグ制覇、日本代表返り咲きへ好スタートを切った。

 突然のむちゃぶりに、ゴールの余韻がかき消された。24日のACLシドニーFC(オーストラリア)戦に続く先制弾を押し込んだ武藤は、背番号9を指さすしぐさで喜びを表現。その後に槙野から「寿司食え!」と、自らの大好物にちなんだパフォーマンスを要求され、控えめに左手を口元に当ててみせた。「急に言われたので…。あれは未完成でしたね」。福田正博氏や永井(現J2群馬)らがつけたエース背番を受け継いだストライカーは苦笑いだった。

 パフォーマンスは後味が悪かったが、武藤らしさの詰まった得点だった。後半7分、李のシュートをGKがはじき、そのこぼれ球にただ一人反応。ゴール前でフリーとなり右足で流し込んだ。「李選手がシュートを打った瞬間にこぼれてくると思って走った」。鋭い読みでのポジショニングから愚直にゴールを狙う献身性。「特長が出たゴール」と自賛した。1―1の後半39分には右CKを蹴り、ズラタンの頭に合わせて決勝点をアシスト。「シンプルで非常にいいボールが来た」とズラタンも最敬礼だった。

 “誤審”を帳消しにした。前半31分には関根の右クロスを胸で押し込んだ。ゴールラインを割ったかに見えたが、相手GKが必死にかき出して結果はノーゴール判定。「目の前で見たので、あれはゴールと思っている。負けて“あれはゴールだった”という言い訳はしたくなかった」。判定直後は審判にアピールしたが結果は覆されなかった。その悔しさを胸にしまい、結果で示した。

 代表の舞台も近づいた。仙台から移籍した昨年にブレークし、昨年8月に世代別を通じて初めて日本代表に選出。国内組中心で臨んだ東アジア杯で得点王に輝いたが、その後は海外組にはじかれて未招集が続く。「ゴールという結果は出せた。また代表に入りたい気持ちを持っている」。来月には18年W杯ロシア大会のアジア2次予選がある。視察に訪れた日本代表のハリルホジッチ監督にも強烈なインパクトを残した。

 チームは4年連続の白星発進。昨季チーム最多13得点を決めた武藤だが、年間優勝できなかった屈辱は忘れていない。「これに満足せずゴールを決めたい。浦和のエースになれるように頑張りたい」。自覚十分のストライカーが、10年ぶりのリーグ制覇に導く。

 ≪9年連続でアウェー開幕戦≫浦和が16年開幕戦を勝利。9年連続アウェーでの開幕戦だったが、これで13年から4連勝。08~12年まで5連敗するなど、過去には開幕戦を苦手にしていたが払しょくだ。シーズン開幕戦の90分内最多連勝記録は鹿島の6連勝(96~01年)。5連勝がFC東京(02~06年)で、4連勝は磐田(96~99年)清水(97~00年)に次いで浦和が3チーム目。4連勝以上の過去4チームはいずれも連勝中にホームでの開幕戦があり、アウェー開幕戦4連勝は浦和が初めてだ。

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2016年2月28日のニュース