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【J1記者推し】仙台・奧埜博亮 浮沈のカギ握る“チームの顔”

[ 2016年2月25日 13:37 ]

ジュニアユース時代から仙台育ち。チーム浮沈のカギを握る奥埜(右)

 浮沈の鍵は奧埜が握っていると言っても過言ではない。就任3年目の渡辺監督からは直々に「チームの顔になってくれ」と命じられたという。ジュニアユース時代から仙台育ち。昨季はチーム最多タイの7得点をマーク。背番号もかつてチームの象徴だった千葉直樹の7番を継承する。仙台を背負って立つ存在として期待が懸かる。

 今季は2トップの一角が濃厚だ。「真ん中でプレーしたい。今の布陣なら前で自由に動くことができるので持ち味が出せる」と奧埜。手本にするのが1メートル73、74キロと小柄ながら昨季プレミアリーグで選手協会、記者協会ともにMVPに選出されたチェルシーのFWアザールだ。「体のサイズは変わらない。プレースタイルも似ているし、参考にしています」

 足元の技術は高く、クロスに対しては常に相手の嫌がるエリアに進入する。仙台大時代から特別指定選手となり早くから期待されたが、プロ1年目の12年は出場わずか2戦。13年7月から14年までJ2長崎に期限付き移籍し、55戦7得点と武者修行を積んだ。昨季復帰した仙台でプチブレーク。対戦した浦和の日本代表DF槙野に「仙台の7番が一番嫌だった」と言わしめるまでに成長を遂げた。

 球際、切り替え、走力の3点が仙台のキーワード。加えて全員が昨季よりボール保持の時間を長くしようと意識しているという。チーム始動日には今年も全員で東日本大震災の被災地に足を運んだ。「毎年(被災地への)思いを持ってプレーしたい。2桁得点は自分の中で取らなきゃいけないと思っている」。チーム目標は5位以上に定められた。奧埜は「チームの顔」として仙台をけん引する覚悟だ。

 ◆奧埜 博亮(おくの・ひろあき)1989年(平元)8月14日、大阪府出身の26歳。宮城・明成高から仙台大へ進学し、09年からは特別指定選手として仙台でプレー。13年7月からJ2長崎に期限付き移籍し昨季から仙台に復帰。15年5月の浦和戦でJ1初得点を記録。02年にU―13、05年にU―16日本代表に選出。1メートル71、67キロ。利き足は右。

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2016年2月25日のニュース