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本田 決勝アシスト!圧勝けん引“ダービー男”だ

[ 2016年2月2日 05:30 ]

インテル・ミラノ戦の後半、競り合うACミランの本田(左)

 ACミランの日本代表FW本田圭佑(29)が“ダービー男”になった。31日にホームゲームとして行われたインテル・ミラノとのミラノダービーに右MFで先発。前半35分に左足で先制弾をアシストするなど活躍し、チームを3―0の勝利へ導いた。絶対に負けられない一戦でファンのハートをつかんだ本田が、前半戦の苦闘を乗り越えて逆襲に打って出る。

 観衆7万7043人がスタンドを埋めた大一番で本田がヒーローとなった。前半35分の右ショートCKからボールを受け、左足を振り抜くと正確なクロスにファーサイドのDFアレックスが頭を合わせてネットを揺らした。今季リーグ戦3つ目のアシストが口火となり、ライバルに完勝。「良いクロス?そうですね。アシストでも認められているっていうのはやっていて感じる」と満足げに話した。

 今季序盤は本職のトップ下でプレー。結果が出ない中で昨年10月4日のナポリ戦後に「敗戦から学ばないと再建には程遠い」などクラブ批判とも取れる発言を行い、出番が減った。発言後はリーグ戦9試合で先発なし。システムも4―4―2に変更された。その中で本田に与えられた役割は自身も「特性がない」という右MFだった。だが、献身的な働きで指揮官の信頼を取り戻すと、昨年12月20日のフロジノーネ戦以降は6試合で3アシストの活躍。日本代表ではゴールゲッターだが「ミランの時に得点はあまり求めないでください」と苦笑いで強調し「今はこれをやることが一番チームに生きると思っている。今後は勝った時は“本田が機能させた”って書いてくれればいいかなって思います」と笑った。

 この活躍に、これまでブーイングを浴びせていたサポーターも、後半43分に本田がピッチを退いた際にスタンディングオベーション。だが、名門復活へクラブに継続的な長期プランの必要性を訴える本田は「引退」の2文字を使い「もし、きょう引退が許されるならファンは僕への印象がもう少し変わるんじゃないですか?一喜一憂するから」と皮肉交じりに話した。

 本田の目標は目先の勝利ではなく、チームを上位へと押し上げること。「ミランのために自分が何とか爪痕を残そうとした時に、自分の特長を生かすプレーに戻っているだけ」と話す背番号10がダービーでの活躍を足掛かりに巻き返しを狙う。

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2016年2月2日のニュース