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手倉森監督 チーム称賛「劣勢のしのぎ方、メンタリティー成長」

[ 2016年2月1日 05:30 ]

優勝カップを手に笑顔の手倉森監督

U―23アジア選手権決勝 日本3―2韓国

(1月30日 カタール・ドーハ)
 右手を突き上げて全速力で選手の輪へと向かった。たどり着くと、ドーハの夜空にU―23日本代表の手倉森監督は3度舞った。「表彰式が終わった後にしろと言ったのに。(3回でなく)もっとやれと言ったのに。でも、選手はいい筋トレになったと思います」。毒づきながらも、満開の笑顔だった。

 ミスを犯した。0―1で折り返した後半開始からシステムを4―4―2から4―3―3に変えた。ボールを回されたため、中盤の底を厚くして、耐えるためだった。しかし、裏目に出た。「俺のミス。(チームの)重心が後ろになってしまった」。後ろの人数は増えたが、その分、全体を押し込まれた。そして、後半2分にクロスから失点した。

 しかし、そこからが今大会数々の奇跡を起こしてきた名将の腕の振るいどころ。そして、選手も応えた。後半15分に4―4―2に戻してスピードのある浅野を投入すると、怒とうのゴールラッシュ。「韓国は後半運動量が落ちる」という分析も当たりチーム発足以来、27試合目で初の逆転勝利で戴冠した。

 これまで各年代でアジアで8強止まり。「勝てない世代」とも言われたが、その分、選手はおごることなく、指揮官の意をくみ地道に力をつけた。ここまで接戦が続いたからこそ、相手の心理や試合状況を見る目も養った。主将の遠藤は「誰も予想できない展開。でも、運は自分たちで引き寄せた」と胸を張った。指揮官も「劣勢のしのぎ方や、(攻勢に出る)機を待つメンタリティーは選手が成長した部分」と、弟子たちを称えた。

 仁川アジア大会の準々決勝で敗れた相手に雪辱した。各年代を通じて11年のアジア杯以来、獲り損ね続けたアジアタイトルを獲得した。それでも五輪本大会へ向けて「あらゆる能力を高めなきゃいけない。選手も僕も」と、表情を引き締めた。次なる目標はもちろん、五輪で48年ぶりとなるメダル獲得だ。

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