浅野が決める！Ｕ２３　ザックＪ以来５年ぶりアジア制覇へ

練習で井手口（右）と競り合う浅野

　Ｕ―２３アジア選手権で準決勝を突破しリオデジャネイロ五輪出場権を手にしたＵ―２３日本代表は２８日、韓国と対戦する３０日の決勝戦に向けて調整した。ザッケローニジャパンが優勝した１１年アジア杯（カタール）を最後に、各年代を通じてアジアの舞台で優勝がない日本。そのアジア杯決勝の延長後半にＶ弾を決めたＦＷ李忠成（３０＝浦和）の再現をＦＷ浅野拓磨（２１＝広島）が狙う。５年ぶりに同じカタールの地で頂点に輝き、日本の復活を印象づける。

【Ｕ―２３日本代表メンバー 決勝Ｔ日程＆結果】

　スーパーサブがおいしいところを持っていく。６大会連続の五輪出場が決まり、日本が狙うのは１１年アジア杯以来のアジアの頂点。今大会無得点の浅野は「まだチャンスがある。結果を残して日本に帰りたい」と誓った。オーストラリアと死闘を演じた１１年アジア杯決勝は途中出場の李が延長後半のボレー弾で優勝を決めた。「高校生の時にテレビを見ていてしびれた。鳥肌が立った」と話した浅野は「そういう舞台に自分も立ちたいと思っていた。チャンスが巡ってきた」と再現を狙う。

　浅野に懸かる期待は大きい。南野がザルツブルクへ帰り、鈴木はケガで出場が難しくなった。「長くピッチに立っていれば良くなっていく。スタートから出たいという気持ちは常に持っている」。決勝に立ちはだかるのは因縁の韓国。「注目される試合。プライドは誰もが持っている。責任を背負ってやりたい」と闘志を高めた。

　１１年のアジア杯を制したが、その後は日本にとって“暗黒の５年間”だった。Ｕ―１６アジア選手権、Ｕ―１９アジア選手権が２度ずつ行われたが、アジアの頂点に立てず。手倉森ジャパンも今大会の前身の１４年Ｕ―２２アジア選手権、同年の仁川アジア大会で８強止まり。Ａ代表も昨年のアジア杯で準々決勝でＵＡＥに敗れ、コンフェデ杯出場権を逃した。全世代の屈辱を払しょくするのが３０日の韓国戦。「大事な試合が残されていることに感謝したい」。浅野のゴールで負の歴史を変える。

　くしくもザッケローニ監督が率いて優勝した１１年アジア杯もドーハで行われた。ここは９３年のＷ杯米国大会アジア最終予選イラク戦で後半ロスタイムに失点してＷ杯初出場を逃した“ドーハの悲劇”の舞台でもあるが、今大会は準決勝のイラク戦で後半ロスタイムに得点し五輪切符を獲得した。悲劇の地を歓喜の舞台に変えたばかりだが、それだけでは終わらない。浅野が優勝を決める一撃を狙う。