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ユーベ11連勝のワケ 序盤不調も新エースと新システムで“V字回復”

[ 2016年1月26日 09:10 ]

ローマ戦でゴールを決め喜ぶユベントスのディバラ(左端)(AP)

 セリエAで5連覇を目指すユベントスがリーグ連勝を11に伸ばした。24日、ホームでローマに1―0で勝利。今季加入したアルゼンチン代表FWパウロ・ディバラ(22)が決勝ゴールを決めた。今季開幕6戦で1勝しかできず、15位とスタートダッシュに失敗した名門が、首位ナポリと勝ち点2差の2位にまで盛り返した理由とは。

【セリエA順位表 得点ランク】

 若き新エースがユベントスを11連勝に導いた。0―0で迎えた後半32分、FWディバラが流れるような速攻から決勝点。MFポグバからのスルーパスをペナルティーエリア左で受けると、素早く左足を振り抜きゴール右に流し込んだ。「ゴールはうれしい。重要な勝ち点3につながったからね。最も厳しい勝利だった。全てを出し尽くした」。昨季2位ローマとの激戦を制し、胸を張った。

 リーグ11連勝の立役者だ。今季パレルモから移籍金4000万ユーロ(約51億円)で加入。退団したアルゼンチンの大先輩であるFWテベスの後釜と期待されたが、序盤はベンチスタートが続き、地元メディアから「とんだ過大評価」などと酷評された。10月にアルゼンチン代表でデビューを果たした直後から一気に飛躍。スペイン代表FWモラタから先発の座を奪うと、11連勝中に8ゴール。リーグ2位の12得点を挙げる新エースとなった。

 アルゼンチン出身の左利きの点取り屋という共通点があり“次のメッシ”と評される。本人は「メッシに少しでも近づければうれしい」と憧れを口にしており、メッシも「素晴らしい未来がある」と才能を認める。イタリア紙でバルセロナから移籍金8000万ユーロ(約102億円)で獲得オファーを受けたと報じられたばかり。今回はユベントスが拒否したとされるが、将来は憧れのスターと共演するかもしれない。

 もちろん連勝は1人の力だけではない。昨季限りでテベスのほか、司令塔のピルロ、中盤のダイナモだったビダルら中心選手が退団。8月に負傷者が続出したことも重なり、史上初の開幕2連敗につながった。新チームづくりに苦労していたアッレグリ監督は新加入したエルナネスのトップ下を諦め、11月21日ACミラン戦の後半から3―5―2にシステム変更。最終ラインが安定し中盤で数的優位が保ちやすくなり、MFストゥラーロは「コンパクトな布陣を保って試合が進められるようになった」という。

 ディバラと2トップを組む新加入のマンジュキッチは得点だけでなく、運動量や守備でも貢献。Rマドリードから加入のドイツ代表MFケディラは9月末にケガから復帰し攻守にハードワークしてビダルの穴を埋めた。アッレグリ監督は「今季クラブは11人の選手を入れ替えた。定着に時間がかかるのは当然のことだった」と説明。システム変更に新戦力がはまった王者が81年ぶりとなる5連覇に向けて首位に立つのは時間の問題かもしれない。

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2016年1月26日のニュース