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リオ最終予選“切り札”布陣!SB川澄で超攻撃なでしこ

[ 2016年1月23日 06:37 ]

ボールを持つ安藤(手前)に寄せる川澄

 リオデジャネイロ五輪アジア最終予選(2月29日~3月9日、大阪)に臨むなでしこジャパンが22日、合宿中の沖縄・石垣島で紅白戦(20分×3)を実施した。2本目には、2列目やFWを主戦場とするMF川澄奈穂美(30=INAC神戸)が左サイドバックに入り、積極的なオーバーラップで見せ場をつくった。4大会連続となる五輪切符獲得に向けて、今までにない超攻撃的な布陣がテストされた。

【リオデジャネイロ五輪最終予選 メンバー】

 誰もが目を疑った。石垣島合宿5日目に実施された紅白戦の2本目。1本目で右MFに入っていた川澄が、今度は左サイドバックに入った。対面する相手を警戒しながら、同じサイドでコンビを組んだ高瀬と連係し、オーバーラップから好機を演出。時には中央へと切れ込んだ。初めての挑戦だったとはいえ、新たな才能を披露する20分間だった。

 2列目やFWを主戦場とする川澄は「人数合わせだと思います」と苦笑いを浮かべたが、起用した佐々木監督は本気だった。「スタミナがあるし、可能性はある。きょうの20分間は良かった。新鮮さもあったしね」。登録メンバーが20人に絞り込まれるリオ五輪アジア最終予選に向けて「今は試している段階」と戦術や組み合わせなどを模索している指揮官。頭の中にあった超攻撃的なオプションの一つが「サイドバック川澄」だった。

 まだトライし始めたばかりでも、最終予選の切り札となり得る布陣だ。W杯カナダ大会で準優勝した格上の日本に対し、アジア勢が守備を固めてくることは必至。自陣にブロックを敷かれ、苦しい戦いを強いられることも予想される。それを打開するために川澄を最終ラインに下げれば、攻撃的なカードをもう1枚、前線で起用することもできる。

 これまで国際Aマッチ78試合出場19得点と実績を残してきた川澄。「左サイドバックの初心者なんで“声を掛けてください”と(周りに)言った。サイドハーフがこう動いてくれたら楽だとか、いい勉強になりました」と振り返った。4大会連続の五輪切符獲得へ、高い得点感覚を備えるアタッカーが秘策の鍵を握る。

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2016年1月23日のニュース