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衝撃、電撃、進撃!武蔵 U23けん引ランニングボレー先制弾

[ 2016年1月17日 05:30 ]

<タイ・日本>前半27分、右足ボレーで先制ゴールを決めるFW鈴木(左)

U―23アジア選手権1次リーグB組 日本4―0タイ

(1月15日 カタール・ドーハ)
 パワフルなストライカーが衝撃の先制点だ。前半27分、鈴木は遠藤がボールを保持したのを確認すると「目が合ったのでボールを裏に要求した」という。浮き球のパスを頭で受け、DFを背負いながらそのまま右足ボレーで決めた。遠藤が「相手のアンカーの脇が空くという分析があった。武蔵が裏に要求し、うまく出せた。ああいう形は練習でもやっている」と胸を張れば、鈴木も「(遠藤)航くんとの関係性が良かった。良いタイミングだった」とうなずいた。U―23の公式戦では15年3月27日のリオ五輪アジア1次予選マカオ戦以来10カ月ぶりのゴール。中島と並ぶ手倉森ジャパン最多13点目となった。

 14年12月に行われた東南アジア遠征でのタイ戦でも得点しているだけに「最終ラインは整っていなかった印象。そこはFWとして狙っていきたい」とゴールへの意識を高めていた。昨年12月には、この舞台で活躍する“予知夢”も見た。ぐっすり眠っていたが、初戦の北朝鮮戦でネットを揺らす自分がいた。四六時中、研ぎ澄ましていた集中力が見事に発揮された。

 12年の新潟入団直後から右膝半月板を損傷し、その後、左足関節脱臼で全治4カ月。13年には左足首を捻挫するなど何度もケガに泣いた。それまでファッション性を重視して練習後は素足が多かったが、当時の柳下監督から「足は商売道具なんだから、ちゃんと靴下をはいてケアしろ」と注意を受け、靴下をはくようになった。昨季はJ2水戸に期限付き移籍したが、股関節痛などに悩まされて出場機会を失った。その間にU―23世代のFWはオナイウや鎌田(鳥栖)が台頭。焦りもあったが「勝利のために(手倉森監督は)使ってくれている。勝利のために働かなくてはいけない」と2戦連続先発で起用した指揮官の期待に応えた。

 ジャマイカ人の父を持つ期待のハーフFW。「FW陣が点を取って、DF陣は無失点。このままの勢いでいけたらいい」。覚醒した点取り屋がリオ五輪への道筋をつくる。

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