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国学院久我山 ロングスロー奪い逆襲1年生GK平田が得意技封じる

[ 2016年1月9日 05:30 ]

練習中に国学院久我山の200人以上の部員たちが円陣を組んで「久我山賛歌」を歌う

第94回全国高校サッカー準決勝 国学院久我山―青森山田

(1月9日 埼スタ)
 第94回全国高校サッカー選手権は9日、準決勝が行われ、初の決勝進出を狙う国学院久我山(東京A)は青森山田と激突する。8日は都内の同校グラウンドで最終調整。1年生GK平田周は相手が得意とするロングスローに対し、鋭い飛び出しで奪って一気にカウンターに転じる作戦を明かした。敵の飛び道具を逆利用し、チャンスに変える。昨夏の高校総体を制した東福岡は昨年大会優勝の星稜(石川)と対戦する。

 ロングスローも望むところだ。1年生GKの平田は不敵に笑った。「ロングスローの時は相手も圧をかけてくるから後ろが手薄になる。自分の出方次第で攻撃の起点になる」。既に今大会4得点の起点となった青森山田の飛び道具だが、逆利用すれば好機に変えられる。スローインの弾道は高い。相手選手が触れるより先にGK平田が奪い、一気に逆襲カウンターに転じる構えだ。

 決戦前日、国学院久我山では通常行わない相手校対策を講じた。“強肩”の部員を呼び、左右から計17本のロングスローを入れさせゴール前の守備確認を徹底した。清水監督は「対策というより大丈夫だという気持ちの整理です」と説明。一方、鋭い飛び出しで何度もキャッチした平田は「全体の意思統一はできた」。ロングスローつぶしのリハーサルは万全だ。

 練習後には伝統の儀式で士気も高めた。全部員209人で巨大な円陣を組むと「久我山讃歌」を熱唱した。元は同校創立35周年の記念歌だが、サッカー部では15年前から大一番の前には全員合唱を続けてきた。DF宮原直央主将(3年)は「全員で歌うことに意味がある」と感極まっていた。

 またこの日、始業式を終えたばかりの同校では9日を臨時休校とすることも一斉メールで通達された。宮原は「台風でも休校にならないのに」と驚く。初めて挑む準決勝では全校応援も実現。約1600人の生徒が駆けつける予定だ。全国での過去最高成績は00年高校総体準優勝。まずは青森山田を撃破し、その先の頂点へ。「一つ一つ歴史を塗り替えていきたい」と宮原。いよいよ決戦の地、埼スタに乗り込む。

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