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駒大高 逆転8強初進出!!菊地が決勝弾 地の利生かし快進撃

[ 2016年1月4日 05:30 ]

<松山工・駒大高>決勝ゴールを決める菊地

第94回全国高校サッカー第4日 駒大高2―1松山工

(1月3日 駒沢)
 第94回全国高校サッカー第4日は3日に3回戦8試合が行われ、駒大高(東京B)が松山工(愛媛)に2―1で逆転勝ちを収めて、初のベスト8進出を決めた。国学院久我山(東京A)は神戸弘陵(兵庫)に2―1で競り勝ち、08年度以来7大会ぶりの8強入り。東京代表の2校出場が定着した83年度以降、両校がそろって準々決勝に進出するのは初の快挙となった。

 1500人超の応援団の思いを乗せたボールが、クロスバーを叩いてネットを揺らした。1―1の後半28分、途中出場の菊地が混戦からのこぼれ球を拾い、ゴール左から左足を振った。今季公式戦初得点がチームを初の8強に導く決勝弾。殊勲の背番号7は「うまくボールがこぼれてきた。左足のキックには自信があるので思い切り振り抜きました」と胸を張った。

 初出場した10年度大会は3回戦敗退。大会期間中、チームがホテルで生活して調整不足に陥った5年前の反省を生かし、今回は各選手が普段通りに自宅から試合会場に向かう。後半11分にヘッドで同点弾を決めた佐藤瑶は「家でリラックスできたのでストレスなく試合に臨めた。大会前はいつも見ている駒沢じゃなくて別の会場で試合をしたいと思っていたけど、今は本当に駒沢で良かったと思う」と笑顔。学校が試合会場から約2キロに位置するからできる調整法で、地の利を生かした白星だった。

 勝利の瞬間、ベンチでは就任19年目の大野監督が拳を握りしめていた。89年度大会に武南(埼玉)のストライカーとして準優勝を経験。当時は決勝で南宇和(愛媛)に1―2で敗れたが、この日は26年前に対峙(たいじ)した南宇和のセンターバック大西氏が松山工のコーチとしてベンチに入っていた。指揮官は「選手は5年前の先輩を超えて、私自身も26年前の悔しさを晴らした」と感慨深げ。大声で指示を出し続け、声はかれていた。

 直後に同会場で行われた試合で国学院久我山が勝利。東京勢のアベック8強は初の快挙となった。大野監督は過去に国学院久我山の清水監督と埼玉県リーグの同じチームに所属しており、試合前は「そろって8強入りしたら初めてらしいから絶対に成し遂げよう」と約束。関東圏にはJクラブを中心にクラブチームが多く、有望な選手が分散する中で歴史を塗り替えた。次の目標は98年度大会に準優勝した帝京以来となる東京代表としての4強入り。大野監督は「清水監督は私の高校の同級生の妹と結婚したので弱みは握っています」と笑った。決勝で夢の東京対決が実現すれば“弱み”も生きてくる!?

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