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最後は一緒に皇后杯を…主将・大野が粋な計らい「澤さんのために」

[ 2015年12月27日 16:55 ]

第37回皇后杯全日本女子サッカー選手権大会決勝 INAC神戸1―0新潟

(12月27日 等々力)
 INAC神戸の選手たちの思いはひとつだった。「澤さんのために優勝しかない」。MF澤の現役ラストマッチを飾るため、全員がピッチを走り回り、セットプレーでは徹底して澤にボールを集めた。

 0―0で迎えた後半33分、右CKを得ると、キッカーのFW川澄は迷わず中央の澤へとボールを送った。チーム全員の思いを乗せたボールに合わせ、澤は相手と競り合いながらヘディングシュート。ボールがゴール右隅に吸い込まれると、ガッツポーズのヒロインの周りに大野、川澄ら仲間が次々と集まり、歓喜の輪がつくられた。

 日テレ、INAC神戸、そして日本代表で長い時間をともに過ごしたFW大野は試合後、「澤さんのために優勝しかなかったし、それしか考えていなかった」とキッパリ。「最後の最後まであきらめなかった結果、澤選手自身が点も決めて、素晴らしい結果になったと思う」と花道を自らの決勝弾で飾った先輩を称えた。

 表彰式の最後で皇后杯を受け取った主将の大野は、澤を壇上中央に手招き。2人で皇后杯を掲げるという心配りを見せた。大会史上最多の2万379人の観客が見守る中、“レジェンド”は最後まで笑顔でピッチを去った。

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2015年12月27日のニュース