元代表・高原直泰の挑戦 沖縄で新クラブ設立、選手獲得へ名刺配りの日々

[ 2015年12月21日 08:37 ]

元日本代表FW高原直泰

 鋭い視線はしかし、ピッチ上で見せるそれとは明らかに違った。「もう名刺がなくなっちゃいましたよ」。J3相模原からの契約延長オファーを固辞し、新たな挑戦に踏み切った元日本代表FW高原直泰(36)は今月8、9日、クラブ代表としてJリーグのトライアウトを視察。苦笑するしかなかった。関係者らに配った名刺は軽く200枚を超えていた。

 前日7日、高原は「沖縄SV」という新チームの設立を発表。柔道の野村忠宏氏らとの共同出資というが、現役選手のクラブ設立には大きな驚きがもたらされた。発端は沖縄には素質ある選手が多いが、受け皿が不足しているという声を聞いたから。元々、育成やアカデミーの設立などに興味を持っていた高原は「プレーできているうちにこういうプロジェクトに挑戦できたら面白い」と一念発起した。
 
 もちろん、険しい道は承知の上だ。所属選手は現在、高原1人だけ。当面は代表と監督と選手の1人3役を務める。「家も車も売って沖縄に骨を埋めるつもり」と既に移住も決めた。将来のJリーグ入りを目指すが、まずは沖縄県3部リーグからのスタート。来季開幕までに24~27人のメンバーを集める必要があるという。

 高原はJリーグのトライアウトだけでなく、全日本大学サッカー選手権も初めて視察した。「自分たちの状況を理解してもらい、興味を持ってもらえればそこから話を進めたい」。名前、実績のある選手を獲得するのは簡単ではない。22日には埼玉県で、来年1月には沖縄県内でセレクションも実施する予定だ。

 Jリーグのトライアウト2日目、高原は「きのう、渡せなかったんで…」とわざわざ真新しい名刺を手渡してくれた。真摯な姿勢からはプロジェクトに懸ける意気込みが伝わって来た。沖縄の地に新たな花を咲かせることが出来るか。ドイツや日本代表で頂点を極めた男の新たな挑戦は始まったばかりだ。

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