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澤、引退発表後初ピッチへキレキレ 前日練習ゴール締め

[ 2015年12月19日 05:30 ]

練習後、FW大野とくつろぐMF澤(右)

皇后杯準々決勝 INAC神戸―AS埼玉

(12月19日 味の素フィールド西が丘)
 今季限りで現役を引退するINAC神戸のMF澤穂希(37)は19日、東京・味の素フィールド西が丘で行われる皇后杯準々決勝でAS埼玉と対戦する。トーナメントのためラストマッチとなる可能性もあるが、18日の神戸市内での最終調整ではミニゲームで得点するなど上々の仕上がりを披露。大事な一戦でゴールの予感も漂ってきた。

 予行演習はバッチリ決まった。ハーフコートで行われたミニゲーム。最後に1点が入ったら終了となるところで、左クロスに飛び込んだのは澤だった。滑り込みながら右足を伸ばしゴール。ここぞという時に仕事をする大黒柱ならではの一発で調整を終えた。

 「いいボールが来たから。ミニゲームだけど普段から勝負にこだわってやっているから得点できて良かった。試合にもつながるトレーニングができた」

 練習から100%の力を注ぎ込むのが澤の流儀。ミニゲームだろうと、試合前日であろうとそれは変わらない。だから最後の練習になるかもしれないこの日も、さらりと実践してみせた。

 前日17日に神戸市内で練習後、都内で引退会見を行った。松田監督からはそのまま東京に残って試合当日に合流してもいいと言われていたが「みんなと練習できる貴重な機会だから」と最終の新幹線で帰神。仲間との一瞬、一瞬をかみしめた。

 バックアップ態勢も整った。ダブルボランチの一角を担っているが、守備に追われる時間が多かったため今季は2得点。先発起用を明言した松田監督は「全員がカバーすれば、攻撃的な澤でいられる。節目にゴールを決めるなど持っているし、そういう状態をチームでつくってあげたい」と後方支援を約束した。

 負ければラストマッチとなるが澤にネガティブな考えはない。「もちろん3試合を考えている。今一緒にやっている最高の仲間と笑顔で締めくくりたい」。勝って準決勝へ。レジェンドの物語がいよいよカウントダウンに入った。

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