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MN穴埋めた!スアレス クラブW杯史上初ハットで3度目V王手

[ 2015年12月18日 05:30 ]

広州恒大戦の後半、ハットトリックを決め親指、人差し指、中指の順番でキスするスアレス

 スアレスがバルサを救った。欧州代表のバルセロナは初戦となった17日のクラブW杯準決勝で、アジア代表の広州恒大(中国)に3―0で快勝。アルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(28)、ブラジル代表FWネイマール(23)を欠く中、南米3トップで唯一出場したウルグアイ代表FWルイス・スアレス(28)が大会初のハットトリックをマークし、単独最多となる3度目の優勝に王手をかけた。4年ぶりの頂点を目指す20日の決勝(横浜国際)は、南米代表のリバープレート(アルゼンチン)と対戦する。

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 バルセロナの“救世主”は記念のボールを手で弾ませながら会見場に現れた。12回目の開催となるクラブW杯で初のハットトリックをマークしたスアレスは「3点を決めることができてうれしい。勲章がこのボールさ。クラブの博物館に贈るよ」とボールを小脇に抱えて胸を張った。

 欧州王者の危機を救った。バルセロナが誇る3トップ「MSN」の2人を欠く緊急事態。N=ネイマールが8日に左内転筋を負傷した上に、M=メッシがこの日、腎臓の痛みを訴えて急きょ欠場。唯一先発したS=スアレスが“3人分”の仕事をした。前半39分、MFラキティッチのシュートのこぼれ球を鋭い嗅覚で押し込み先制ゴール。後半5分にMFイニエスタのパスを胸トラップから技ありの右ボレーで決めると、22分にはPKを冷静に左隅に決めた。「この3点をネイマール、(負傷離脱中のDF)ドグラス、そしてメッシにささげたい」と離脱中の同僚を思いやった。

 昨年のW杯ブラジル大会で“かみつき事件”を起こし、悪童のイメージが強いスアレスだが、昨年加入したバルセロナではエゴとは無縁の優等生だ。リバプールでプレミアリーグ得点王を獲得したプライドも主張せず「メッシが最高で、ネイマールが2番手と承知している」と年下の2人を立てることでスーパースターの共存に貢献。特にメッシとは大好きなマテ茶を一緒に飲んで距離を縮め、メッシの長男ティアゴ君と、スアレスの長女デルフィナちゃんは同じ保育園に通って私生活でも仲良し。「我々3人はピッチ内外でとても素晴らしい関係を築いている」と3人で昨季計122ゴールを挙げて欧州CLなど3冠を獲得した成功の秘密を語った。

 1点目の後に両人さし指でネイマールの背番号「11」を示し、2点目を決めた後にはベンチ入りしていた本人に駆け寄って抱擁。こちらも仲の良さを見せつけた。「メッシはできるだけ早く治ってほしい」と語った悪童改め、救世主スアレス。前日からピッチでの練習を再開したネイマール、そして、エースのメッシに決勝舞台に立つチャンスを整えた。

 ◆ルイス・スアレス 1987年1月24日、ウルグアイ・サルト生まれの28歳。05年にナシオナルでプロデビュー。06年にフローニンゲン、07年にアヤックスへ移籍し、09~10年オランダリーグ得点王。11年にリバプールへ移籍し13~14年プレミアリーグ得点王。14年に移籍金8100万ユーロ(当時約111億円)でバルセロナへ移籍し、昨季の欧州3冠に貢献した。ウルグアイ代表は10、14年W杯出場など通算82試合43得点。1メートル82、85キロ。利き足は右。

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