澤、なでしこ監督も!引退会見で指導者ライセンス取得に初言及

[ 2015年12月18日 05:30 ]

引退会見中に笑顔を見せる澤

 女子サッカーW杯ドイツ大会でなでしこジャパンを初優勝に導き、今季限りでの現役引退を発表した澤穂希(37=INAC神戸)が17日、都内で会見した。心身ともにトップレベルで戦えなくなったと引退理由を説明し、「最高のサッカー人生」だったと振り返った。今後については初めて指導者への興味を示し、指導者ライセンス取得にも言及。将来の澤ジャパン誕生の可能性も出てきた。

 無数にたかれたフラッシュの向こうで、言葉に詰まる澤がいた。冒頭、公の場で初めて今季限りでの現役引退を報告。「一番の理由は心と体が一致してトップレベルで戦うことが難しくなったと感じたからです」。経緯を説明した直後だった。

 ギュッと奥歯をかみしめ、緩みかけた涙腺をこらえた。1、2、3…、結局、12秒を要した。ようやく気持ちを落ち着け、「人生最大の大きな決断でした。悔いのないやり切った、最高のサッカー人生でした」と涙をこらえ言い切った。

 だが、感慨に浸っているだけではない。女子サッカー第一人者はこの先の新たな道もおぼろげながら見えていた。今後について「澤穂希にしかできない仕事ができたら」と希望。また、これまでは「感覚でやってきたから教えるのは絶対に無理」と拒絶していた指導者への興味を初めて示した。「現役中はないなと思っていたけれど、もしかしたら指導者になりたいと思うかも」と言及。ライセンスについても「サッカーをより深く知るためにも資格を取るのはいいこと。じっくり考えてそういう気持ちがあれば取りたい」と監督という選択肢に踏み込んだ。

 W杯で頂点を知り、W杯で限界を知った。最高の瞬間として「日本女子サッカーの歴史を変えた日。忘れられない一日です」と11年W杯を挙げた。だが今年のW杯直前までおよそ1年間、代表招集から漏れたことで「いろいろ考えて、心と体を一致してトップレベルにするのは難しいな」と引退の時期を模索。迷う心と重なるように「痛いところも出てきたし、回復するのも遅い。足が出ていたところで出なくなった。自分の中でベストな状態でやっているときに比べるとちょっと…というのはあった」と体の限界も感じ取った。

 決め手は今年のW杯。「終わった瞬間、悔いなくやり切った。その時から今年いっぱいかなという気持ちだった」。今月に入り、決断。最初に夫の辻上裕章氏に打ち明け、「よく頑張ったね。長い間、お疲れさま」との言葉をもらった。「結婚していようが、いまいが、決断に変わりはなかった。逆に支えてもらったからこそ、この一年頑張れた」という。次のステップに進むため悩み抜いて答えを出した。

 15歳で代表入りし「人生の半分以上をプレーした。家族のような存在」となでしこジャパンを表現する。今後は厳しくも温かいサポーターとなるが、愛する家族をもっと強くするため、監督として“復帰”する決断を下す日が来るかもしれない。引退会見にありがちな感傷モードは一瞬。前向きな澤らしい、新たな一歩を予感させる場となった。

 ▽日本協会公認コーチライセンス 男女を問わず日本代表監督の条件として、日本協会公認のS級コーチライセンス相当の資格が必要になる。C級からスタートし、B級、A級ジェネラルと段階を踏まなければならず、A級ジェネラル取得まで1年程度を要する。通常A級ジェネラル取得の翌々年までS級養成講習会は受講できないが「女子は国際Aマッチ出場数20試合以上またはトップリーグでの出場試合数200試合以上」などの優遇条件を満たせば翌年の受講が可能。澤の場合は最短で2年程度でS級が取得できる。なでしこリーグ監督はA級ジェネラル以上の資格で務められる。

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