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澤に小倉名誉会長 新ポスト“オファー”五輪&W杯の顔

[ 2015年12月17日 06:40 ]

13年、東京五輪招致のロゴを背に質問に答える澤穂希

澤が引退発表

 引退を表明した澤に対し、日本サッカー協会の小倉純二名誉会長(77、写真)は女子サッカーの将来を担うべき新ポスト就任を電撃オファーする意向を示した。まず「引退は極めて残念。リオ五輪までは頑張っていただけると思っていたので。心境の変化があったのかな。ありがとうと言うしかない」と感謝した上で、熱烈なラブコールを続けた。

 1つは日本が招致を目指す23年女子W杯の「顔」だ。「招致、運営の段階でもできると思うが、ぜひ、大会組織委員会の委員長を。我々のようなおじさんでなく女性がやるべきと思う」と話した。招致が実現すれば組織委員会が設立され、大会の準備、運営に当たる。そこで陣頭指揮を執るという大役だ。日本では異例の女性トップとなる。

 実はなでしこジャパンが初優勝した11年女子W杯ドイツ大会の大会組織委員長も元女子選手のシュテフィ・ジョーンズ氏(42)が務め、成功を収めた。実績に加えて人格的にも優れ、澤と共にプレー経験もある。小倉名誉会長によれば、ジョーンズ氏も澤が組織委員長を務めるというプランに「彼女ならできる」と太鼓判を押しているという。

 もう1つは20年東京五輪でのアンバサダー的な役割だ。「彼女自身、20年五輪の仕事をしたいと話していた。世界でも最も知られている女性プレーヤーの一人。23年のW杯、20年の五輪、その時に大きな役割を果たしていただければ」。12年1月にFIFA女子最優秀選手に輝いた澤の人気、知名度は大きな役割を担えると期待している。

 小倉名誉会長と澤は日頃から頻繁にメールを交換する“メル友”だ。電撃引退の決断には寂しい表情を見せていた同名誉会長だが、女子サッカーの発展にはまだまだ澤の力が不可欠とも考えている。最後に小倉名誉会長は言った。「次の仕事は決まっているよ!とメールしとこ」。すぐにでも携帯電話を取り出しそうな勢いだった。

 ▼大仁邦弥会長(日本サッカー協会会長) 「ついにそういう時がきたのか」という気持ちです。ひたむきにピッチを駆ける姿を見られなくなるのは寂しいですが、これから始まる第二の人生を応援したいとも思います。澤穂希選手の女子サッカーに対する貢献度は偉大で、「FIFA年間最優秀選手賞」が示す通り、日本女子サッカーのレベルの高さを世界に示してくれました。

 ▼竹田恒和氏(日本オリンピック委員会会長) まだまだ頑張ってもらいたかったが、ご苦労さまと申し上げたい。チームをまとめる求心力を持っていた。これから後進を育て、強いなでしこをつくる努力をしてほしい。

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2015年12月17日のニュース