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寿人 アフリカ王者の隙見抜いた!初4強へ“忍者ゴール”決める

[ 2015年12月13日 05:30 ]

マゼンベ先へ向けて調整する佐藤

FIFAクラブW杯準々決勝 広島―マゼンベ

(12月13日 大阪長居スタジアム)
 FIFAクラブW杯準々決勝2試合が13日に大阪長居スタジアム(ヤンマー)で行われる。アフリカ王者のマゼンベ(コンゴ)と対戦する開催国代表の広島は12日に大阪市内で最終調整した。エースの元日本代表FW佐藤寿人(33)は相手の視界から消える動きで勝負する狙いを明かし、クラブ史上初となる4強進出へ、忍者のように身を隠して決勝弾を奪う。また、アジア王者の広州恒大(中国)は北中米カリブ海王者のアメリカ(メキシコ)と対戦する。

 疲れはない。マゼンベ戦に向けた最終調整で、佐藤は笑顔を見せながら精力的に汗を流した。オークランドとの開幕戦から中2日。過密日程の影響でチームにダメージが残る中、初戦で温存されたエースは「休養十分」と充実した表情を浮かべた。前夜にはアフリカ王者の映像を確認し、攻略への策を明かした。

 「センターバックはでかい。ただ、アジリティー(敏しょう性)はあまりないと思う。ボールウオッチャーになるところが見られたので、視界から外れることができれば十分にチャンスはある」

 10年大会で準優勝したマゼンベには、センターバックに1メートル93のDFクリバリーら長身の選手がそろう。屈強な肉体で相手の攻撃をはね返す一方で、その背後には弱点が潜む。1メートル70の上背では空中戦で勝負することはできないが、スルーパスやクロスの際に生まれる守備のほころびを映像から見抜き、ゴールへのイメージを膨らませた。

 今季J1最終節・湘南戦で中山雅史(現JFL沼津)の持つJ1通算最多得点に到達。まるで忍者のような動きだしの速さと駆け引きで157得点を積み重ねてきた。オークランド戦で負傷したMF野津田、柴崎が長期離脱。攻撃の陣容が手薄になる中で「彼らの分も結果を出さないと」とエースは気を引き締めた。

 3年前に出場した12年大会ではアルアハリ(エジプト)に準々決勝で敗れた。その試合で決定機を逃した佐藤にはアフリカ王者に対するリベンジの意味合いもある。「ここを倒さないといけないし、その先を自分たちは見ている。勝ちにつながるゴールを決めたい」。姿を消し、そして仕留める。Jリーグの誇る小さな巨人が、クラブ史上初の4強を手繰り寄せる。

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