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クラブW杯はマゼンベに注目 “お尻ダンス”旋風再び!?

[ 2015年12月8日 11:50 ]

10年大会、お尻ダンスで有名になったGK・キディアバ

 3年ぶりの日本開催となるクラブW杯が10日に開幕し、横浜で行われる1回戦でJリーグ王者の広島がオセアニア王者のオークランド(ニュージーランド)と対戦する。大本命はFWリオネル・メッシ(28)らスター選手を擁する欧州王者のバルセロナだが、注目は5年ぶり3度目の出場となるアフリカ王者のマゼンベ(コンゴ)。前回出場した10年大会(UAE)では準優勝しており、大富豪オーナーの投資で大陸のタレントを集めた“オール・アフリカ”で旋風再現を狙う。

 あのユニークな踊りが日本で見られるかもしれない。J王者の広島が1回戦でオークランドに勝てば、13日の準々決勝(大阪)で対戦するのがマゼンベ。10年大会に準決勝で南米王者インテルナシオナル(ブラジル)を破り、欧州と南米勢以外で初の決勝進出を果たしたアフリカの雄だ。

 注目は39歳のGKキディアバ。5年前、ゴールのたびにピッチに座ってピョコピョコ前進する“お尻ダンス”を披露したのを覚えているファンも多いはず。コンゴ代表は今年引退したが、クラブでは5年ぶりにアフリカCLを制す原動力となり「(自身)3度目のアフリカ王者になれてうれしい。39歳でもまだまだできる。現役を続けるよ」。ベテラン守護神にとって今回は健在をアピールする最高の舞台だ。

 “アフリカ・オールスター”で世界に挑む。10年大会でインテル・ミラノに敗れた決勝戦のスタメンはキディアバをはじめ9人がコンゴ人選手と国内組が中心だったが、今回は登録23選手のうち地元出身は6人だけ。ガーナ代表MFアサンテら同国出身の5人を筆頭に、ザンビア4人、コートジボワール3人、マリ3人、タンザニア2人という多国籍チームを可能にしたのは、金満オーナーのポケットマネーだ。

 「我々の目的はアフリカ最高のタレントにチャンスを与えること」と説明するのは、97年からオーナーを務めるモイーズ・カトゥンビ氏。コンゴで最も成功したといわれる実業家で、鉱山開発で築いた資産をサッカーに投じており、フランス誌ジュンヌ・アフリクによるとクラブ年間予算はアフリカ最高。10年は600万ドル(約7億3800万円)だったが、今年は1500万ドル(約18億4500万円)を超えるという。

 ロイター通信は11月に「サッカーは大統領への道に通じる」と伝えた。カトゥンビ氏はクラブがあるカタンガ州で97年から今年9月まで知事を務めた大物政治家で、来年のコンゴ大統領選の有力候補。サッカーはコンゴの国民的スポーツで、オーナーを務めるマゼンベがクラブW杯で活躍すれば支持率アップにつながるとみられ、政治的側面も注目されそうだ。

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2015年12月8日のニュース