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井原監督、男泣き「本当に良かった」昨季16位・福岡を1年でJ1昇格導く

[ 2015年12月6日 18:15 ]

J1昇格を決め胴上げされる福岡・井原監督

J1昇格プレーオフ決勝 福岡1―1C大阪

(12月6日 ヤンマー)
 来季J1に昇格する残り1枠を決めるJ1昇格プレーオフ(PO)決勝が6日、大阪・ヤンマースタジアム長居で行われ、3位の福岡と4位のC大阪が激突。先制された福岡が後半42分にDF中村のゴールで追いつく劇的な展開で1―1と引き分け、ドローの場合は年間順位が上位のチームを勝者とする大会規定により、福岡が2011年以来5年ぶりとなる来季のJ1昇格を決めた。12年のPO制度導入以来、出場最上位の3位チームが昇格するのは初めて。

 就任1年目での昇格となった元日本代表主将の井原正巳監督(48)は試合終了を告げる長い笛が響くとスタッフと抱き合い、男泣き。試合後のインタビューでも時々声を詰まらせながら、「一年間、皆が頑張ってきた思いっていうのが…きょうの試合に…こう出し切ってくれたので、こういう結果が得られて本当に良かったなと改めて思っています」と言葉を絞り出した。

 引き分けでも昇格が決まる大会規定の中、後半15分に先制点を奪われる苦しい展開。だが、後半28分に投入したベテランFW坂田の決定的なパスからチャンスをつかんだ後半42分、最後は長い距離を駆け上がって来た中村が角度のない位置から右足で同点ゴールを決めるなど、采配も冴えた。「先に取られても90分間あきらめずに戦おうという話をしていた。最後まで選手が走り切ってくれ、それが最後のゴールにつながったのかなと思います」と劇的な同点弾の瞬間を振り返った井原監督。「もちろん、北斗(中村)のシュートも素晴らしかったと思うが、チームメートすべてのパワー、皆の気持ちがあのゴールに乗り移ったと思う」と全員を称えた。

 現役時代は日本代表として国際Aマッチ122試合に出場。鉄壁の守備で“アジアの壁”と呼ばれ、日本が初出場した1998年のワールドカップ(W杯)フランス大会には主将として出場した。2002年の引退後は指導者に転身し、08年には反町康治監督(現J1松本監督)のもとコーチとして北京五輪にも出場。09年から昨年までは柏でヘッドコーチを務めた。そして、昨季16位に沈んだ福岡を監督就任1年で3位に引き上げ、J1昇格。“アジアの壁”が“J1の壁”を突き破った瞬間だった。

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2015年12月6日のニュース