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新潟 柳下監督の退任を発表…ナビスコ杯4強もリーグでは大苦戦

[ 2015年11月10日 08:35 ]

7日の試合終了後のセレモニーで、新潟サポーターに手を振る柳下監督

 新潟は9日、契約満了に伴い、柳下正明監督(55)が今季限りで退任すると発表した。12年6月に不振にあえいでいたチームの監督に就任し、J1残留に成功。4季目の今季は、クラブ史上初のナビスコ杯4強に導く一方で、リーグ戦では7日の湘南戦でJ1残留を決めたばかりだった。後任は、湘南のチョウ・キジェ監督(46)が有力候補に挙がっている。

【J1年間順位表 第2S順位表 ナビスコ杯結果】

 4季にわたって指揮を執った柳下監督の退任について、田村貢社長は「新潟らしく、粘り強く勝負を諦めない基本的な姿勢を継続しながら、より攻守にアグレッシブなスタイルを植え付けるために、強くチームをけん引していただきました」と感謝した上で「さらなる成長を遂げるために、総合的に判断」したとするコメントを発表した。

 柳下監督は12年6月、チームが残留争いに苦しむ中で監督に就任。選手同士の距離感を意識しながら、アグレッシブに戦うことを浸透させ、最終節に奇跡の残留を果たした。翌13年には、主力を引き抜かれながらも07年の6位に次ぐ、7位という好成績を収めた。

 14年は12位に後退したが、主力がほとんどチームに残った今季はタイトル奪取を掲げてスタート。しかし、開幕ダッシュに失敗すると、攻守の要・レオが5月に胆のう炎の手術でブラジルに一時帰国したのを筆頭に、ケガなどで選手が相次いで離脱。苦戦が続いた。

 それでも、ナビスコ杯はクラブ史上初の予選リーグ突破に続いて4強に進出。一方でリーグ戦は7日の湘南戦でJ1残留を決める苦しいシーズンとなった。湘南戦後のホーム最終戦セレモニーで、柳下監督は「残留が決まってよかったというシーズンにしてしまい、申し訳ありませんでした」と深々と頭を下げた。

 後任について、クラブ側は「未定」としているが、元韓国代表監督の洪明甫(ホンミョンボ)氏(46)ら複数の候補の中から、湘南のチョウ・キジェ監督が有力候補に浮上している。湘南で12年から指揮を執り、J1昇格に続いて今季は現時点で勝ち点48の8位と躍進。クラブ史上初のJ1残留に導いたが、今季限りでの退任が決定的になっている。チョウ・キジェ監督の戦術は豊富な運動量と攻守の切り替えの速さという2点が、柳下監督のスタイルに似ている。戦術の継承、発展という意味でも適任と判断し、候補を一本化して交渉を進めているとみられる。ただ、チョウ・キジェ監督にはJ2も含めて複数クラブが興味を示しており、正式決定に時間がかかる可能性もある。

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2015年11月10日のニュース