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鹿島 ナビスコ制覇で17冠!小笠原が3得点全て演出MVP

[ 2015年11月1日 05:30 ]

<鹿島・G大阪>サポーターの前で優勝カップを掲げる小笠原

ナビスコ杯決勝 鹿島3―0G大阪

(10月31日 埼玉)
 鹿島が3―0でG大阪を下し、3年ぶり6回目の優勝を果たした。元日本代表MF小笠原満男(36)が全得点に絡む活躍を見せて史上最年長となるMVPに輝いた。クラブ史上2例目となるシーズン途中での監督解任という危機から石井正忠監督(48)を中心にチームを立て直し、3年ぶりとなる国内主要大会17個目の栄冠を手にした。
【試合結果 ナビスコ杯結果 決勝トーナメント表】

 ホイッスルの直後、石井監督は高く両腕を突き上げ、コーチと抱擁を交わした。選手はピッチ上で抱き合い、ハイタッチを繰り返した。36歳でMVPに輝いた小笠原は「出ていない選手もスタッフも、サポーターも全員がMVP」とクラブに関わる全ての人を称えた。

 試合前に「勝つと負けるのとでは全然違うぞ」とチームを鼓舞した。後半15分、小笠原は左CKからファン・ソッコの得点をアシストすると、同39分にも左CKが金崎の追加点につながった。2分後にはカイオのダメ押し弾の起点となり、全得点に絡んだ。チームとしても昨季3冠王者を相手にシュート数24―5と圧倒した。

 危機から立ち直った。クラブは7月19日の松本戦で敗れると同21日にトニーニョ・セレーゾ監督を解任。石井監督を昇格させた。選手はその日、鹿嶋市内のブラジル料理店で決起集会。小笠原は「監督が代わっても選手が変わらなければ意味がない」と選手に変心の必要性を説いた。石井監督も変革をもたらした。以前は午後からの練習が中心で朝食を抜く選手もいたため、練習を午前に変更して生活を改めさせた。練習でのスライディングも解禁。戦う姿勢を取り戻させた。コーチ時代は監督の意向もあるため、選手に直接助言することを控えていたが、就任後は積極的にコミュニケーションを取った。主将は言った。「石井さんを男にしたかったですし、男泣きさせたかった」。指揮官も「選手は90分間戦う姿勢を見せてくれた。失点しなかったことが非常に良かった」と選手を称賛。監督交代以降は公式戦14勝1分け4敗(PK戦負け含む)。“師弟”の絆こそがV字回復最大の要因だった。

 試合後、選手、スタッフらの手で6度、宙を舞った石井監督。来季も指揮を執る可能性が高い。2年間見放されたタイトルを獲得し、再び黄金期を迎えるための一歩とするためにも今後が重要となる。小笠原は「1つで満足していちゃいけない。常勝クラブになるポテンシャルはある。続けてタイトルを獲らなきゃいけない」。リーグ戦は残り2試合で首位・広島とは勝ち点3差。ステージ優勝は厳しいが、最後まで2冠目を諦めない。

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