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横浜ユース和田、3冠達成しプロへ マンC短期留学&ケガ乗り越え成長

[ 2015年10月21日 12:25 ]

来季トップチーム昇格が内定している横浜ユース・和田

 来季、横浜のトップチーム昇格が内定している横浜ユースのFW和田昌士(18)は、激動の1年間を経て心身ともにたくましくなった。昨年8月、プレミアリーグの強豪、マンチェスター・シティーのU―18チームへ約2週間の短期留学を経験。「タフさというか、激しさを学びました。球際の強さだったり、1対1にこだわる姿勢は日本にはないものだった」。レベルの高さを実感した一方で、通用した部分もあったという。「ワンタッチで相手の逆を突いてかわすプレーや、ドリブルは海外の選手にも全然負けてないなと思った。それらを伸ばすことを練習から意識してやっていきたい」と意欲を強くした。

 ユースでは今季主将を務め、背番号10を背負っている。今年2月には、トップチームのFWに故障者が相次いだこともあり、アマチュアながらJリーグの試合に出場できる2種登録を完了。松本とのプレシーズンマッチで“デビュー”し、出場こそなかったがJ1開幕戦ではベンチ入りを果たした。トップチームでの練習では、DF中沢やDF栗原とのマッチアップを通じて「ボールを持っていないときの動きの質を上げないといけない。上げなければ良い状況でボールをもらえないし、通用しない」と痛感。「ユースでできないと、トップでもできなくなる」と肝に銘じ、以後はユースの練習でもオフ・ザ・ボールの動きを意識してプレーしている。

 レベルアップした状態で夏の日本クラブユース(U―18)選手権に臨むはずだったが、開幕の練習で右足首を捻挫。チームが群馬県内でグループステージと決勝トーナメント2試合を戦っている間、横浜市内の練習場にはリハビリに励む和田の姿があった。

 「自分が主将として帯同できなくて、凄くふがいなさと申し訳なさがあった。みんなが勝ってきてくれるのを信じて、リハビリを一生懸命頑張った」

 イレブンはエース不在を乗り越えて4強に駒を進め、準決勝と決勝の行われる横浜に帰還。和田も準決勝の2日前に全体練習に復帰し、準決勝、決勝と途中出場した。決勝・大宮ユース戦では4―3の後半38分に貴重な追加点を決め、2年ぶりの優勝に貢献。「出場機会を与えてもらえて、力さん(松橋力蔵監督)や仲間に感謝の気持ちでいっぱいでした」と振り返る。

 現在開催中のJリーグユース選手権では、夏のクラブユース選手権に続く“夏冬連覇”を目指してチームをけん引。25日には札幌U―18との3回戦が控える。和田ら横浜ユースの目標は、夏冬の2冠に加え、高円宮杯U―18プレミアリーグ昇格を含めた“3冠”を達成することだ。「3冠のチャンスがあるのは、クラブユースで優勝した僕たちだけ。そこに挑む権利がもらえたんで、新たなチャレンジャーとして成し遂げたいし、3冠を達成してからプロに行きたい」。有終の美を飾り、胸を張ってプロの世界に飛び込む。(記者コラム)

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2015年10月21日のニュース