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広島MF山岸、ロスタイム決勝弾で奪首!目潤ませ「素直にうれしい」

[ 2015年10月17日 19:39 ]

<広島・川崎>決勝ゴールを決めた山岸は拡声器を使ってサポーターにあいさつ

J1第2ステージ第14節 広島2―1川崎F

(10月17日 Eスタ)
 広島はホームで川崎Fを2―1で下し、浦和を抜いて年間首位に返り咲いた。後半5分にMF柴崎晃誠(31)が左サイドから目の覚めるような30メートルミドルを決めて先制。同点に追い付かれたものの、後半ロスタイムに途中出場のMF山岸智(32)が左足ボレーを叩き込んで勝ち点3を奪った。

 「ヤマ(山岸)が大きな仕事をしてくれた。このゴールは大きな意味を持つ」と話したのはFW佐藤寿人(33)だ。自身はリーグ5試合連続無得点で、元日本代表FW中山雅史(48=現JFL沼津)の持つJ1最多157得点に並ぶことはできなかったが、自身の得点以上に喜びを表した。

 12、13年のリーグ連覇に貢献した山岸は、この試合が今季リーグ2試合目の出場だった。シーズン開幕前の練習試合で左ふくらはぎを肉離れ。さらに太もも肉離れなども患い、戦列に復帰したのは開幕から1カ月半後だった。若手の台頭もあり、そこからはベンチ外の日々。だが腐らなかった。

 「練習グラウンドまで来て応援してくれる人もいた。その人たちのためにも全力でやらないといけなかった。何よりも家族のために」

 若手と練習に取り組んできた。負傷後は練習前後のケアを今まで以上に意識するようになった。愛妻と相談しながら怪我を予防する食事メニューなどを摂取してきた時もあるという。

 その家族が見守る前で、チームを勝利に導く今季初得点。「1人で戦ってる訳じゃない。素直にうれしかった。それ以上の感情はない」。時折、目を潤ませながらサポートしてくれた方々へ感謝の意を表した。

 森保一監督(47)が「あれほどの実績を持つ選手が出場機会を与えられない中で、ここまで我慢してやってくれている。それを周囲の選手は理解している」と話せば、佐藤も「プロとして黙々やってきた。その頑張りは若手に良い勢いをもたらしてくれた」と賛辞を送った。

 「チームの力になれて、一つ報われました」。苦しみながらも前を向き続けた。諦めなかった。毎年のようにメンバーが入れ替わりながらも上位をキープしてきた広島の強さの真髄が、この日の山岸のゴールに現れていた。

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2015年10月17日のニュース