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再び存在感示すGK西川 正確無比のフィード生んだ練習法とは…

[ 2015年10月2日 10:20 ]

華麗な足技を披露するGK西川

 浦和の日本代表GK西川が、再び存在感を際立たせている。移籍1年目の昨季はJ1新記録の7試合連続完封をマーク。第1ステージを無敗優勝した今季も、年間1位キープを下支えしている。9月26日の鹿島戦では27本ものシュートを浴びながら、最少の1失点で切り抜ける鉄壁ぶりで逆転勝利を呼び込んだ。「人生で記憶にないくらい打たれたけど、勝利できた。自分の中で思い出に残る試合になった」。また一つ、GKとしての階段を上った印象だ。

 安定感あるセービングでだけではなく、西川の真骨頂は正確無比のフィード。ボールをキャッチするやいなや、ライナー性のパントキックで素早く前線に展開する。一瞬での攻守の切り替えは、何度も観客のため息を誘ってきた。視野の広さと技術の高さが織りなす芸当。それを可能にした昔の練習法が面白い。

 9月29日にさいたま市内の小学校を訪問した西川は、児童から「昔は誰が練習に付き合ってくれたのか」という質問を受けた。「サッカーバカと言われるくらい練習していた」と笑った西川は「練習に付き合ってくれたのは“人”ではなくゴールポストでした」と意外な回答をした。ハーフウエーライン付近からゴールポスト目がけてボールを蹴り込む自主練習を繰り返し、キックの精度を高めたという。当時はGK専門ではなかったが、ゴールポストとの長年の“会話”が生きている。他のGKにはまねできないフィードには、そんな秘密があったとは…。小学生と一緒に思わず聞き入ってしまった。

 今月はオマーン、イランでの試合が続く日本代表の中東遠征がある。無所属が続く川島が代表を離れる今が、29歳守護神の勝負時だ。「笑門来福」がモットーの西川に“ゴールポストの神様”が振り向いてくれるかもしれない。(大和 弘明)

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2015年10月2日のニュース