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浦和・武藤の原動力は…代表返り咲きへ、人事を尽くして漫画を読む

[ 2015年9月11日 11:00 ]

漫画好きという一面も持つ浦和FW武藤

 その姿には“らしさ”があふれていた。今月のW杯アジア2次予選で2連勝を果たしたハリルジャパン。そのメンバー発表を翌日に控えた8月26日。練習を終えた浦和のFW武藤雄樹(26)は、漫画雑誌「週刊少年マガジン」を抱えながらクラブハウスを後にした。8月の東アジア杯得点王。周囲からメンバー入りが期待されている状況でも、飾らない男はどこ吹く風だった。残念ながら今回は落選となったが、マイペースに運命の日を待っていた。

 仙台の準レギュラー格だった武藤は、浦和に移籍した今季にブレーク。激戦区の2シャドーの一角で先発を勝ち取り、6月のJ1月間MVPを獲得。第1ステージ優勝の原動力にもなった。そんな武藤は「中学1年からマガジンと育ちました」と漫画っ子を自認。成り上がりを続けるアタッカーの息抜きがJリーガーらしからぬ?趣味だと知って、失礼ながら面白くて思わずいろいろ聞いてしまった。

 「マガジン、ヤンジャン、ヤンマガ、ゴラクとかも読みます。読み終わっても、毎日、何かが新しく発売されるので」。Jリーグの試合と同じで、週に1度の発行というのが小気味いいらしい。好きな漫画はバスケットボールを題材にしたスポーツ漫画「あひるの空」から、既婚者ながら?ピュアなラブストーリー「ドメスティックな彼女」まで。食わず嫌いせず、幅広いジャンルを読むところも武藤らしかった。

 初めて日の丸を背負った東アジア杯の北朝鮮戦、武藤は前半3分に歴代最速のデビュー弾を決めた。だが、慣れない遠征での気がかりの一つが、漫画の続きを読めなかったなんて話も。帰国後には漫画雑誌を取り置いていたGK大谷に「よく取っていてくれた!」と感謝。そんな豪快なエピソードを聞くと、浦和や代表でもものおじせずに活躍できるのにもうなずける。

 現在、リーグ戦10得点。「入団会見の時に、自分の背番号の19得点以上決めるって言っている」。今回の代表メンバーには落選したが、再び量産態勢に入れば返り咲きも夢ではない。急成長を遂げる武藤は人事を尽くして、漫画を読む。(大和 弘明)

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2015年9月11日のニュース