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ハリル監督 格下相手も“必死6カ条”で得点力アップに自信

[ 2015年9月3日 05:30 ]

選手を集めて指示をだすハリルホジッチ監督

 日本代表は3日、埼玉スタジアムでカンボジアとの18年W杯ロシア大会アジア2次予選を戦う。今季国内最終戦を前に、バヒド・ハリルホジッチ監督(63)は格下相手に痛恨の引き分けとなった6月16日のシンガポール戦の悪夢を払しょくするため、美しく勝つことを宣言した。課題である決定力不足解消に向けて、6つの解決策を提示。内容にもこだわり、国際Aマッチ5試合ぶりの勝利を目指す。

【日本代表メンバー W杯アジア2次予選順位表】

 リアリストの指揮官が、珍しく大風呂敷を広げた。決戦が翌日に迫った公式会見。ハリルホジッチ監督は「選手には美しい勝利で(年内では)国内最後の試合を終えようと話した。スペクタクルなゴールに期待している。メッシやC・ロナウドのように個人で突破することにも反対しない。10点取れれば問題ないけど、そこまで選手にプレッシャーはかけませんが」と不敵に笑った。

 3カ月前の苦い記憶を払しょくする。6月16日のW杯アジア2次予選初戦シンガポール戦。日本は23本のシュートを放ちながら最後までゴールを割れず、スコアレスドローに終わった。指揮官は「なぜ引き分けたのか、ずっと考えていた」とショックを引きずり、国内組で戦った8月の東アジア杯では2分け1敗の最下位に低迷。悩み抜いた結果、相手GKが神懸かり的なセーブを連発したシンガポール戦は不運だったとの結論に達した。「シンガポール戦はアクシデントだったと、皆に思わせないといけない。カンボジア戦でやり返す」。同じ東南アジアの格下から圧倒的な勝利を目指す。

 決定力不足解消に向け、6つの解決策も提示。練習では(1)ミドルシュート(2)ダイレクトプレー(3)ダイアゴナルラン(斜め走り)(4)3、4人目の動き(5)逆サイドを突く(6)積極的に16メートル(ペナルティーエリア内)に入る(PKを誘う)――ことを選手に意識させたという。至って一般的な攻撃方法だが、現役時代にユーゴスラビア代表として32試合20得点を記録した指揮官は「元ゴールゲッターとしてどのような言葉が選手に勇気をもたらすか知っている」と得点力アップに自信を示した。

 アジア勢に5戦未勝利となれば、同一監督の下では89~90年の横山謙三氏以来の屈辱となる。ハリルホジッチ監督は8月29日の親善試合カンボジア―ラオス戦にスタッフを派遣して映像を入手するなど準備に余念はない。「早い時間に1点入れば試合の考え方は全く違うものになる。勝利すれば自信もつく」。魅せるサッカーで勝利を手にして、頭の中のモヤモヤを振り払う。

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2015年9月3日のニュース