×

浦和GK西川“プロの探究心” 写真で自ら確認 PK決める日は…

[ 2015年8月8日 11:00 ]

浦和のGK西川(中)

 取材を続けているとほんの些細な事ながら「あぁ、プロだな…」と感じる場面に出会う。先日、浦和のGK西川周作(29)から西川自身のプレー写真、記事が大きく掲載された新聞が見たいというリクエストを受けた。既に日本を代表する守護神でメディアへの露出も決して少なくない。少し意外に思ったのを覚えている。

 合点がいったのは数日後のこと。浦和の練習に行くと地元メディアから数点の写真を見せてもらっている西川の姿があった。映像ではなく写真。一瞬を切り取った画像を見ながらボールに反応する体の重心、姿勢、ボールをキックするフォームのバランス、筋肉の動きを細かくチェックしているのだという。プロの探求心が垣間見えた。

 西川がキックする姿は美しい。特に左足の精度は高く、大分ユース時代にはFKで7得点を決めている。実は今季も1度だけPKを決めるチャンスがあった。6月27日の新潟戦。前半21分にMF梅崎がエリア内で倒されPKを獲得。チームメートは西川に託そうとしたのだが、まだ0―0の局面だったため、西川が辞退していた。

 今季の浦和は10戦以上、先発出場しているフィールド選手は全員が得点を記録。もしも再び西川にチャンスが巡ってきて得点を決めれば“レギュラー全員得点”という珍記録の達成か。同僚のDF槙野は「GKもフィールドの選手というのがペトロビッチ監督のサッカーですから」と笑う。今後もキッカーを託す機会を伺っているように見える。

 90年代、パラグアイ代表GKチラベルトはGKながらPK、FKを蹴ることで世界的人気を博し今も伝説の守護神として有名だ。是非、西川がPKを決めるシーンを見てみたい。一瞬を切り取った画像の連続から成る美しいフォームで記録にも記憶にも残るゴールを決めてほしい。

続きを表示

2015年8月8日のニュース