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ハリル監督 焦りのトップ会談…大仁会長に「日本の危機」感訴え

[ 2015年8月4日 05:30 ]

炎天下の中、大仁会長(中)と田嶋副会長(右から2人目)らと話すハリルホジッチ監督

 東アジア杯(中国・武漢)に出場中の男子日本代表は黒星を喫した初戦の北朝鮮戦から一夜明けた3日、武漢市内で調整した。バヒド・ハリルホジッチ監督(63)は練習の視察に訪れた日本協会の大仁邦弥会長(70)と緊急青空会談を行うなど危機感をあらわにした。

【日本代表メンバー 東アジア杯】

 大柄な指揮官がピッチ脇で練習を視察していた日本協会のトップの元へ歩み寄った。ハリルホジッチ監督は大仁会長、そして同じく視察に訪れていた田嶋副会長に、猛暑の中、身ぶり手ぶりを交えながら、通訳を介して熱弁を振るった。練習後にも再度、言葉を交わした。大仁会長は練習後、会談の一端を明かした。

 「(監督は日本サッカーの)危機だと言っている。いろいろなことを変えなきゃいけないと。やり方を変えなきゃいけない。日程のことは前から言っているが、練習の質も上げていかないと、と。コンディションも悪く、フィジカルも強くない」

 初戦の北朝鮮戦に敗れ、自力優勝の目はなくなった。過去5大会、初戦で敗れたチームが優勝した例はない。W杯での躍進を目指すチームが東アジアですら、連覇の可能性はわずかになった。だが、諦めるわけにはいかない。9月にはW杯アジア2次予選のカンボジア、アフガニスタン戦も控えている。日本サッカー界が抱える問題点について、現場のトップが日本協会の2トップに面と向かって訴えかけた。

 ハリルホジッチ監督は選手にも声を荒らげて注文を付けた。練習開始前にピッチ脇の建物内で10分弱。選手を集めて緊急ミーティングを行った。「このままじゃダメだ。力を出さないといけない。日本の誇りを見せないといけない。もっと走らないといけない。このままいくと、勝てずに帰ることになる」と、口角泡を飛ばしたという。

 もっとも、「誇り」は必要だが、与えられた条件で選手を率い、勝機を見いだすのが指揮官の仕事。ハイボールへの対応、つたない試合運びなど修正すべき点は多く、試合までの時間は少ない。6月のW杯アジア2次予選シンガポール戦ではホームで敗戦に等しいスコアレスドロー。そして、前日の敗戦。“東欧の名将”の尻に火が付いている。

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2015年8月4日のニュース