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新潟 80日ぶり降格圏脱出!指宿2戦連発でG大阪とドロー

[ 2015年7月30日 05:30 ]

G大阪戦の後半、同点ゴールを決め喜ぶ新潟・指宿(右)

J1第2S第5節 新潟2―2G大坂

(7月29日 デンカS)
 降格圏から脱出だ!新潟はホームでG大阪との激闘の末に2―2で引き分けた。前半10分にオウンゴールで先制。後半2、9分とセットプレーから失点したが、同15分にFW指宿洋史(24)の2戦連続ゴールで追いついた。貴重な勝ち点1を積み上げて敗れた松本と勝ち点21で並び、得失点差で上回って年間15位に浮上。12節、80日ぶりに降格圏を脱出した。

 最後まで、全員が走り続けた。左CKをはじき返されて試合終了の笛が鳴ると、新潟の選手はがっくりとうなだれた。勝てなかった。でも、負けなかった。1万9650人のサポーターの誰が見ても明らかなほど、全員が諦めずに走り続けた。その報酬が、降格圏からの脱出だった。

 柳下監督の言葉が全てだ。「いいゲームをしていた。勝ち点3を取らないといけないほどの、ゲームをした」。勝てなかった悔しさはのぞかせたが、内容は評価した。「選手はベンチより冷静にやれていた。それは、よかった」。結末は引き分けだが、最後まで希望を持たせた激闘だった。

 東アジア杯(8月2日開幕、中国・武漢)の日本代表6人がスタメンに名を連ねたG大阪と、真っ向から勝負した。開始から積極的に攻めて迎えた前半10分。右サイドをドリブルで抜けたFW山崎が中央に入れたボールを、DF丹羽がオウンゴール。山崎の強気が、運も呼び込んだ。

 だが、昨季王者はソツがなかった。後半2分、右CKから同点に追いつかれると9分、DF舞行龍のファウルでPKを与え、逆転を許した。しかし、ここで踏ん張った。暑さと高い湿度の中、明らかに消耗したG大阪と対照的に、新潟の走力は落ちなかった。

 同10分、それまで最も走っていたMF加藤に代えて、21日に横浜から期限付き移籍したMF佐藤を投入。そして15分、FW山崎の絶妙の縦パスにFW指宿が抜けだし、2戦連続、今季4ゴール目を決めて同点にした。その後も攻め続け、守り抜いた試合だった。

 長いトンネルだった。5月6日の山形戦終了時が14位。同10日の第1ステージ第11節で横浜に敗れて17位に転落すると、最下位を含めて80日間も降格圏から抜け出せなかった。

 2連敗スタートした第2ステージだったが、コンパクトな陣形で前線からプレッシャーをかけてボールを奪い、素早い攻撃につなげる戦いが浸透。2連敗後の2連勝とこの引き分けで、ついに15位に浮上した。それでも選手に笑顔はない。その姿が、降格圏脱出は通過点でしかないことを証明していた。

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2015年7月30日のニュース