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第2Sも浦和だ!武藤 18戦不敗継続弾で初の代表入りアピール

[ 2015年7月12日 05:30 ]

<松本・浦和>浦和・武藤(右)がヘディングで制ゴールを決め、槙野とパフォーマンスを見せる

 J1の第2ステージが開幕し、第1ステージ王者の浦和は松本を2―1で下し、今季開幕戦から続く不敗記録を18に伸ばした。8月2日開幕の東アジア杯予備登録メンバー50人に入った売り出し中のFW武藤雄樹(26)が前半12分に頭で先制弾を押し込み、自身初の日本代表入りをアピールした。快勝発進した浦和は、13年に大宮がマークしたJ1記録の21戦不敗も視野に入ってきた。

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 まるで“ステルス機”だ。前半12分、右サイドを駆け上がった森脇が浮き球クロスを上げると、中央で待ち構えていたのは武藤だ。頭で叩きつけたボールは、ワンバウンドしながらネットを揺らした。「ピンポイントに出してくれた。先制を決めたことで自分たちは楽になれた」。6バックを敷いて守りを固めた格下を意気消沈させ、両手を広げ喜びを爆発させた。

 絶好調男を下支えする持ち味は、オフ・ザ・ボールでマークを外す動き。ペトロヴィッチ監督が欧州CLのバイエルンMの映像を見せた際、武藤は10年W杯得点王で14年W杯優勝にも貢献したドイツ代表FWトーマス・ミュラーを引き合いに出されながらポジショニングの指示を受けた。ミュラーはW杯通算14得点の「爆撃機」ゲルト・ミュラーに例えられ「ステルス爆撃機」とも呼ばれた。簡単にゴールを決めるように見えるが、相手DFの視野から消える。有名選手に例えられた武藤は「ミュラーの動きは参考になる」と闘志を高めた。第1ステージは16試合8得点。6月は月間MVPに輝いた。神出鬼没に決めるゴールには明確な意図が宿っている。

 無名男の成り上がりに終わりはない。流通経大での関東選抜が最高で、世代別を含め代表招集歴はない。昨季までは仙台の準レギュラー。だが、飛ぶ鳥を落とす勢いで得点を重ね、10日発表の東アジア杯予備登録50人に選出された。代表候補に名を連ね、槙野から「体脂肪を落とした方がいい。(ハリルホジッチ監督に)怒られるよ」といじられると「誰も思ってなかっただろうし僕も思っていなかった」と笑った。「日本代表は夢だった。それが目標に変わり、つかみ取れる位置にある」と、さらなる活躍を目指す。

 浦和にとってはアウェー松本戦は苦い記憶がある。09年天皇杯2回戦で当時北信越リーグの松本に敗れ、世紀の番狂わせを許した。昨年の差別的横断幕問題で禁止されていた応援席のフラッグは、先に解禁されていた横断幕に続いてこの日解禁。その一戦で新星が過去の記憶を消し去った。開幕から続く不敗記録は「18」。大宮がマークしたJ1の不敗記録「21」も視界に入った。第2ステージにはFC東京からマインツに移籍した武藤はいないが、浦和の武藤がいる。「さらに上を目指してやっていく。代表でも通用すると思う」。Jの主役はやっぱりムトウだ。

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2015年7月12日のニュース