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武藤、マインツ入団会見で「すべてささげる」地元記者から拍手

[ 2015年7月10日 05:30 ]

マインツのユニホームを手にする武藤

 FC東京からマインツに移籍した日本代表FW武藤嘉紀(22)が9日、マインツの本拠地コファス・アレナの会見場で入団会見を行った。クラブ史上初めてスーツ姿で臨んだ武藤は覚えたてのドイツ語で堂々とスピーチを行い、ドイツの地で世界的プレーヤーになることを誓った。会見後には本拠地のピッチで背番号9、「MUTO」と入ったユニホームを手にした。武藤のサッカー人生第2章が、いよいよ幕を開けた。

 テレビカメラ10台。記者は日本人、ドイツ人合わせて約60人。ハラルト・シュトルーツ会長も見つめる中、武藤はスーツ姿で会見場に姿を現した。礼儀正しい青年を象徴するかのような装い。まばゆいばかりのフラッシュを浴び、覚えたてのドイツ語で「ハロー」と切り出した。

 「ヌルフンフ(05、マインツの愛称)のために自分の持っている全てをささげたいです」と語った際には言葉に詰まる場面もあったが、確かな所信表明。ドイツ人記者からは大きな拍手が湧き起こった。そして1年半前のFC東京の入団会見同様「ヨッチ(あだ名)と呼んでください」とサポーターへのアピールも忘れなかった。

 プロ1年半でつかんだ欧州初挑戦。プレミアの名門チェルシーから正式オファーを受けながら、さらなる成長に選んだのはドイツの地。その理由を問われた武藤は「チームメートだったり街全体の素晴らしさで、自分の選択は間違っていなかった」とし「ここでしっかり活躍して、世界的なプレーヤーになりたい」と言い切った。

 イメージも徐々に膨らみつつある。武藤は7日に現地入り。前日の8日は早速、分刻みのスケジュールをこなした。午前にメディカルチェックを行い、そのままチームに初合流。戦術練習もこなし、右MFに入った。「どこから足が出てくるか分からない。球際の強い選手もいる」。早くもJリーグとの違いを肌で感じ「ドイツの屈強なDFと戦うにあたって、いろいろ学ばなくてはいけない」と課題も見つけた。

 ドイツは代表が14年W杯で優勝したほか、バイエルンMや香川の所属するドルトムントなど世界のトップクラブが存在する。武藤も「世界に名だたる選手と対戦できる。こういう相手と対戦することで、自分の足りないところ、弱さも明るみに出る」と目を輝かせた。ポジションは中盤のサイドが有力。「たぶんサイドでプレーすることになると思うけど、攻撃でも守備でも貢献して、得点だったりアシストも増やしていきたい」と力を込めた。

 会見後にはピッチに下り立ち、ハイデルGMから「MUTO」の名前が入った背番号9の白のユニホームを手渡された。

 「香川選手のいるドルトムント、バイエルンという世界最高のチームと戦えるのは楽しみ」

 正式にマインツの一員となった武藤が、ここからさらなるスター街道を駆け上がる。

 ▽1FSVマインツ05 1905年、ドイツ中西部のマインツを本拠に創設。2003~04年に2部3位となり、創設100年目の翌シーズンに初の1部昇格。その後2部に降格したが、08~09年に2部2位で1部に再昇格した。開幕7連勝した10~11年には過去最高の5位と躍進し、11~12年欧州リーグ出場(3次予選敗退)。昨季リーグ戦は11位。ホームスタジアムはコファス・アレナ(3万4000人収容)。マルティン・シュミット監督。

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