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小野 チームは逆転負けも…国内外リーグ戦通算400試合を達成

[ 2015年7月9日 05:30 ]

<札幌・大宮>後半途中出場した小野

 “天才”がまた一つ歴史を刻んだ。J2札幌のMF小野伸二(35)が8日、札幌ドームで行われた首位・大宮戦の後半35分から出場。国内外リーグ戦通算400試合を達成した。試合は前半、FW古田寛幸(24)とMF前寛之(19)のゴールで2点をリードしながら逆転負け。小野のメモリアルゲームを白星で飾ることはできなかった。これでチームは4試合白星なし。勝ち点は34のままで順位を7位に落とした。

【試合結果 J2順位表】

 重たい空気が漂う後半35分。小野の登場にこの日1番の大歓声が上がった。2―3と1点リードされた苦しい場面。それでも2試合連続で決定機を演出した小野への期待は高まった。ロスタイムには右足でボレーを放ち見せ場をつくったが、あと一歩届かない。ただ、出場自体が小野にとって大きな節目だった。

 海外、日本を含めてリーグ戦通算400試合出場。その道のりは平たんではない。常にケガとの戦いだった。99年に左膝じん帯断裂の重傷で長期の離脱。その後も足首や膝の手術を繰り返し、慢性的な痛みを抱えてのプレーが増えた。だが、その度に苦しいリハビリを必死に乗り越えてきた。「周りの人や街の人にも“無理はしないで。待ってますから”と言われたのが印象に残ってる」。そんなファンの声に応えるのが小野だ。度重なるケガを乗り越えての大台だからこそ価値がある。

 わずか18歳でA代表初出場を果たし、98年フランスW杯の第3戦のジャマイカ戦では、15分間出場した。W杯を3度経験し、国際Aマッチ56試合6ゴール。代表との二足のわらじでサッカー界を引っ張ってきた。97年に鳴り物入りで浦和に入団すると、華麗なプレーと実力でサッカーファンを魅了。そして、積極的に海外に挑戦した。

 01年にオランダ1部リーグのフェイエノールトに入団。そこでも才能は認められ、主力として02年UEFAカップ優勝に貢献した。その後もブンデスリーガ、オーストラリアとレギュラーを保証されない厳しい環境の中でも常に主力としてプレーし、ついに400試合の大台に乗せた。

 そんな小野のメモリアルゲームを祝福するように、前半14分にFW古田が、同23分にMF前寛がゴール。しかし、試合は首位・大宮の意地の反撃に遭い、2点リードを守れずに痛恨の逆転負けを喫した。それでも歴史を刻んだ小野の記録が色あせることはない。

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2015年7月9日のニュース