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なでしこ 鉄の結束で快進撃 陰にあの“必須ツール”

[ 2015年7月6日 07:50 ]

GK山根に背負われベンチに向かう安藤

 なでしこジャパンの快進撃の陰に、おそらくスマートフォンを持っている誰もが使う必須ツールがあった。それは無料通話アプリ「LINE」だ。有名となったのが、スイスとの1次リーグ初戦で左腓(ひ)骨を骨折し、帰国を余儀なくされたFW安藤とチームメートとのやりとりだ。

 安藤が離脱したエクアドル戦から、試合のロッカールームではLINEのテレビ電話機能を使ってつないでいた。イングランドとの準決勝前には、安藤の「私をバンクーバーに連れて行って」と言った言葉に選手が発奮。チームには決勝進出なら手術を終えて回復が順調な安藤を呼び戻すプランがあり、難敵を撃破した選手たちが安藤の思いをかなえてみせた。

 1次リーグ3試合で山根、海堀、福元と異例のローテーション制で臨んだGK陣にも、ひそかにLINEが役に立っていた。毎日のようにホテルで行われるGKミーティング。前田コーチから時間と場所を伝えられるのはGK陣最年少の24歳の山根だという。福元と海堀の部屋に向かって伝言しなければいけないが、密度の濃い練習で先輩たちが仮眠を取っている場合も考えられる。

 「コンコンってノックして、寝ている先輩を起こしちゃったらどうしようと思って…」。ちょっと悩んだ山根は、携帯電話を手に取る。「“LINEですいません!”って打って、“何時からここで(ミーティングを)やります”と伝える時もあります(笑い)」。寝坊をしたらどうするの?なんて突っ込みたくなるが、こんなささいな場面でもスマホの必須ツールが生きている。

 上下関係がしっかりし、鉄の結束が持ち味のなでしこジャパン。何げない気遣いも強さの秘けつかもしれない。 (大和 弘明)

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