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澤 なでしこ“抑えの切り札”へ!佐々木監督が起用法を明かす

[ 2015年6月30日 05:30 ]

準決勝イングランド戦に向けた練習で軽快な動きを見せる澤

 新方程式の完成だ。7月1日(日本時間2日)にW杯カナダ大会準決勝でイングランドと対戦するなでしこジャパンは28日(同29日)、サブ組を中心に練習した。佐々木則夫監督(57)は、6大会連続出場のMF澤穂希(36=INAC神戸)の起用法について言及。球際の激しいプレーが持ち味のレジェンドを終盤に投入する“クローザー役”に指名し、ピッチ内の選手を引き締め、試合を終わらせる狙いを明かした。

【女子W杯決勝トーナメント なでしこジャパンメンバー】

 連覇へ導き出した答えは“クローザー・澤”だ。先発を固定し、途中出場の選手が試合を締める。決勝トーナメントを勝ち抜くため佐々木監督の考えは大胆だった。1回戦、準々決勝と途中出場が続くレジェンドの起用法について、指揮官は「澤が入った瞬間に意識が高まる。何といっても最初のファーストプレーに鋭さがある。スイッチを入れてくれる。一番厳しい時に澤の背中をみんなが見て、切り替えてもらうという部分もある」と説明した。澤は点を取るジョーカーでなく、勝利目前のチームを引き締める精神的支柱として送り出されている。

 自ら最後と言い切る6度目のW杯。決勝トーナメントでの戦い方について、澤は「本当にチームの結束力が大切になってくる。ベンチも含めて、スタッフも含めて一つになるのが大事」と話す。この日の練習では菅沢が右足首を捻挫するなどぎりぎりの戦いが予想されるが、36歳がピッチに立てば、やることは一つだ。「勝つために全力で攻撃も守備も自分らしさを出す」。08年北京五輪3位決定戦前のミーティングで「苦しい時は私の背中を見て」と鼓舞したこともある女王の一挙手一投足が、ピッチ上の選手たちの勇気となる。

 この日はサブ組だけが練習場で汗を流した。主力組はホテルで静養するなど集中を高めた。前回大会3冠(優勝、得点女王、MVP)を達成した澤は「決勝トーナメントはちょっとしたミスが失点につながる。最後まで集中してやらなければいけない」と一発勝負の難しさを熟知している。球際の激しさで中盤を制圧する背番号10がピッチに上がる時、なでしこは連覇に近づく。

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2015年6月30日のニュース