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教訓となったロスタイム失点「W杯は何が起こるか分からない」

[ 2015年6月24日 17:45 ]

試合終了間際、自らのミスで失点を許したGK海堀は顔を覆う(AP)

女子W杯カナダ大会決勝トーナメント1回戦 日本2―1オランダ

(6月23日 バンクーバー)
 なでしこジャパンが1次リーグから4連勝で2大会連続のベスト8入りを決めた。前半10分に代表初ゴールとなる先制弾を決めたDF有吉佐織(27)と、後半33分に追加点を入れたMF阪口夢穂(27)はともに日テレ・ベレーザ所属。現役ラストイヤーの昨季まで両選手とチームメートで、かつて代表MFとして2度のW杯に出場した小林弥生さん(33=日テレ・ベレーザ育成組織アシスタントコーチ)にゴールシーンについて聞いた。

 まずは先制点について。得点に絡んだ選手たちの動きがすべて良かったと小林さんは絶賛した。「宮間のパスを大野が相手のDFラインと中盤の間で受けて、1タッチで再び宮間に預け、そこからは、さすが宮間!という感じで、ゴール前にいた大儀見にピンポイントでクロスを入れた。大儀見のシュートが決まれば一番良かったが、クロスバーに当たってはね返り、クリアボールに走り込んだ有吉が決めた得点も抑えたいいシュートだった」。そして、ゴールを決めた有吉はもちろん、選手たち全員が見せた最高の笑顔がすべてを物語る。「チームとして勢いに乗れたゴールだった」と振り返った。

 早々に先制した日本だが、追加点が入ったのは後半33分だった。それには、同21分に大野との交代で投入された岩渕の存在が大きかったという。「岩渕が入ってリズムが変わった。それが彼女のいいところです。岩渕が積極的にボールに絡み、岩渕のスルーパスから大儀見へ。大儀見は少しずれてシュートを打てなかったけれど、そこにどんどん次の選手がボールに絡んでいった。選手同士が流動的に動いた、いいゴール。最後は阪口のキックの正確性で得点になった」。

 日本は、ロスタイム突入後の後半47分にGK海堀のミスもあって失点した。阪口の追加点がなければ、その後の試合展開がどうなっていたか分からない。「もしも阪口の追加点がなく1―1で延長戦に入っていれば、オランダは押せ押せで攻めてくる。そういう意味でも阪口のゴールは大きかった」と小林さん。そして、「選手たちにとっては、学ぶものがあった失点だと言えます。サッカーは、ましてやW杯は最後まで何が起こるか分からない。最後まで集中を切らしてはいけない。それを学ぶ失点だったと思いたい」と次戦への糧(かて)だと前向きに受け止めた。

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