ハリルJ 屈辱ドロー…シュート23本も“不吉”0点発進

[ 2015年6月17日 05:30 ]

<日本・シンガポール>点が奪えない展開に、思わずペットボトルを投げつけるハリルホジッチ監督

 FIFAランク52位の日本代表は埼玉スタジアムで154位のシンガポール代表と0―0で引き分け、18年W杯ロシア大会アジア2次予選の初戦は痛恨のドロー発進となった。本田圭佑(29=ACミラン)を軸にシュート23本を放つなど相手ゴールに再三迫ったが、相手GKの好守にも阻まれて無得点。日本は過去にW杯予選初戦で白星を逃して本大会に出場したことはなく、世界150位以下の相手に初めて勝利を逃した。バヒド・ハリルホジッチ監督(63)の下で厳しい幕開けとなった。

【試合結果 日本代表メンバー W杯アジア2次予選順位表】

 鬼の形相でハリルホジッチ監督が思い切りペットボトルを蹴り上げた。後半ロスタイム、右サイドでフリーになった酒井宏が痛恨のクロスミス。ボールが直接ゴールラインを割ると、指揮官は見せたことのない表情でいら立ちをあらわにした。前半37分にはピッチにペットボトルを投げつける場面もあった。FIFAランク150位以下の国に勝てなかったのは史上初の屈辱。国際Aマッチでは日本代表監督初の就任4連勝の記録も逃し「なかなかのみ込めない。消化できない。100%決まりそうな得点機を19回つくったが…。これだけ運がないのは信じられない」と視線を落とした。

 打てども打てども入らなかった。開始15秒の宇佐美の一撃を皮切りに放ったシュートは23本。無得点に終わった試合では最多(02年以降)で不名誉な記録更新となった。指揮官は「サッカー人生でこのような試合を見たのは初めて」と衝撃を受けていたが、欧州やアフリカと比べてパンチ力の劣る日本にとって決定力不足はこれまでも抱えてきた課題。「フットボールにマジックはない。練習するだけ」と具体的な打開策は示せなかった。

 調整方法にも疑問が残った。この日の試合に向けて、1日から本来は拘束力のない欧州組を集めて国内合宿を実施。シーズン終了直後にもかかわらず、連日の過酷な走り込みのメニューを課した。試合終盤には攻め疲れから運動量が落ちており、疲労が抜け切っていなかった可能性もある。

 試合直後にはピッチで選手、スタッフを集めて円陣を組み「勝つための準備は全てしたんだから、顔を上げてくれ。アウェーのシンガポール戦では絶対に勝ち点3を取ろう」と気合を入れ直した。公式会見では「選手を非難はできない。私のことを非難するのは構わない。全部、監督の責任」と強調。「こういう試合では最後にカウンターで失点して負けることもある」と負けなかったことへの安ども見せた。

 次の試合は国内組で臨む8月の東アジア杯。欧州組を招集するベストメンバーでの活動はW杯予選が控える9月までない。試合後、指揮官はいったんホテルに戻って食事をしてチームを解散させる方針だったが、スタジアム解散へ変更。体調を考慮して少しでも早く代表から戻したいJクラブの意向が働いた結果だった。選手を徹底管理する姿勢にはJクラブからの反発もあり、一部選手からは不満の声も出始めている。火種はくすぶっており、屈辱的なドローを受けて今後も求心力を保てるか。3連勝スタートから一転、東欧の知将が早くも正念場を迎えた。

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