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ハリル監督、格下相手も鬼采配!全力でなければ「10分で交代」

[ 2015年6月16日 05:30 ]

会見で水分を取るハリルホジッチ監督。眼光鋭く報道陣に目を向ける

W杯アジア2次予選 日本―シンガポール

(6月16日 埼玉)
 格下を相手にしても隙は一切、見せない。シンガポール戦を翌日に控えた15日の公式会見でハリルホジッチ監督は「この試合にはわなが仕掛けられている。相手を過小評価してはいけない。フィジカルもメンタルも100%の準備をしないと大変なことが起こる。試合中に100%でない選手を見つけたら10分で交代させる」と語気を強めた。油断大敵。既にシーズンを終えている欧州組に対し「バカンスに頭を傾けるな!」と口を酸っぱくして言い続け、雰囲気を引き締めた。

 日本はJリーグ発足後のW杯予選初戦で5戦全勝しているが、うち4試合が1点差と厳しい試合ばかり。指揮官は「シンガポールは前線に速い選手がいてカウンターで得点できる。カンボジアの4―0勝利はクオリティーがある証拠」と警戒。「フランスも歴史上負けたことがなかったチームに負けた」と13日の親善試合で格下のアルバニアに0―1で敗れた“母国”を引き合いに出し、勝負の怖さを強調した。

 序盤から畳み掛ける“秘策”も用意した。非公開にした13日の練習ではキックオフ直後のプレーを徹底指導し、マイボールの場合の攻撃方法に加え、敵ボールの場合はどこにパスが出たら誰がどうプレスをかけるかを入念に確認。永井は「細かいことは言えないけど、試合を見てもらえば分かる」と説明した。

 現在、就任から3連勝中で4連勝を飾れば日本代表監督史上初の快挙となる。この日は午後4時30分開始予定だった会見を、急きょ5分繰り上げて始め、分単位のスケジューリングでチームを管理した。「100%の準備ができていないと、ハイレベルなリズムでプレーすることは不可能。我々にスターはいない。スターはチームだ」。本田でも、香川でも調子が悪ければ容赦なく代える。完璧主義者の指揮官が、鬼の采配を見せる。

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